現在のラナーク

 ラナークを見る。

 最初見た時より彼女は成長した気がする。

 初めは、なんていうか色々残念な奴だったけど、今では彼女達を引っ張る存在の一部になっている。

 精霊がそれぞれ互いに互いを引っ張る関係だ。

 

「ん? 何をじろじろ見て……はは~ん、さては私のナイスバデェ~に見とれていましたな?」

「え、そうなの?」


 ラナークがそう言うと、色っぽい仕草で僕を見てくる。

 それを見てレティシアも真似しようとする。


「馬鹿言ってんじゃない、昔の事を思い出してな」

「あぁ、ご主人と二人っきりで過ごした夜ですね!! あれは思い出深かったです」

「変な言い方をするな」

 

 事実だが、その言い方は色んな方向に誤解を受けるからやめてほしい。

 

「ほう、その話を詳しく」

「いつの間に出てきた」

「可愛い妹と過ごした夜はどうだった?」

「姉妹揃って頭お花畑か!!」


 しかもなんで少し嬉しそうなんだよ、前まではこの話になると殺しに来たくせに。


「ちぇ、ヘタレ」

「やかましい」

「や~い、ヘタレ~」


 ラナークの柔らかい頬を引っ張る。


「いふぁいいふぁい~!!」

「お前がそもそも意味深めな言い方をするからだろうが」

「たすふぇてなぇはま~!!」

「あぁ、ほっぺプニプニされてる妹、最高~」


 馬鹿じゃないのか。

 そして僕が手を離すと、ラナークは頬を擦る。


「それで、いつの事なのです?」 

「えっと初めてあった時の話だ」

「え、何それ聞きたい」


 そう言えばレティシアに話したことはなかったな。

 契約順で言うと彼女はラナークより後なので知らないのは当然だった。

 僕はラナークと契約したときの事を話すのだった。




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