精霊の料理
なんていうか、豪快な料理だった
採取した野菜は置いておいて、メインとなる料理がなんというか斬新だった。
今回のメインは野生の熊だ。
驚くのはクマを寝かせそのまま火で炙った丸焼きに野菜が盛り付けらえている光景だ。
見た目は完全に食欲が出ない。
というか料理が雑すぎる
しかし、彼女たちはそれぞれ部位を切る。
「勇者様は何処にします? 私のお勧めは~」
「やっぱり、僕は遠慮しておくよ」
「え~、どうしてですか!?」
「なんというか見た目が食欲わかない」
拒否反応が凄い。
普段直球に言わない僕だが、流石に今回は絶対に食べたくない。
「ほへぇ~、こふなにおいひいほひ~」
「こら、食べながら喋らない」
食べながら喋る微精霊Cをピノは窘める。
よく食えるな。
食べ進めていくごとにどんどん食欲のなくなる姿になってくる。
しかし、彼女たちは食べ進めて完食した。
「ふぃ~、おいしかった~」
「よかったんですか? 食べなくて」
「僕は勇者の加護があるから食事しなくても大丈夫なんだ」
聖剣の能力は多岐に渡る。
例えば傷の回復や食欲、魔力は聖剣の力で少しづつ補充されるので何もしなくても生きていけるのだ。
「へぇ~、なんかもったいないね」
「もったいない?」
「食事ってするってだけで幸せじゃない?」
そう言えば、最後に食事をしたのはいつだっただろう。
食事の回数が減ってきて最近いつ食事をしたのかが思い出せない程だった。
「これだけでも食べた方がいいのですよ」
そう言って微精霊Cは野菜を持った木の皿を渡してきた。
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