ご機嫌直し

「まぁ、そのなんだ……」


 近づいたはいいが、何を言っていいか戸惑う。


「暴れる理由を聞いてもいいか?」

「……あいつが子ども扱いした」


 あ~、見た目子供っぽいもんな。

 青色の服装も一層子供っぽく見えるのはわからないでもない。


「だけど、いきなり襲い掛かるのは大人としてどうかな?」

「それは……」

「大人なら、この後どうするかわかるな?」


 僕の言葉にレインは何かに気が付いたのか、エレナの方へ向く。


「いきなり襲い掛かってごめんなさい」

「あ~、うん落ち着いたならよかったわ」

「レイン、よくできたな」

「子ども扱いしないでよ……」


 レインの頭を撫でようとすると、照れたように言う。

 全く素直じゃないな……。


「すまなかったな」

「ううん、大丈夫だよ」


 ミリアはそのまま箱に戻っていった。

 彼女はレインの癇癪に手が付けられない時は出てきてくれるのだ。


「さて、お前達……もう戻る時間だぞ」


 そう言うと、皆返事をして箱に戻る。


「レウルの剣は凄いわね」


 精霊剣を作るにはその精霊に出会い、その精霊が自分の作った剣を認めて宿るものだ。

 無論、信頼関係と鍛冶師としての才覚も問われる。

 それがなくとも、精霊を憑依させる方法もある。


「色々あったからな」


 過去の事を思い出すのだった。



ーーーーーーーーーーーーーー


 次回からは過去回想、精霊剣編を書きます。

 それではお楽しみに

 

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