ベルとレイン2

「さて、休憩したし戻ろっか」

「え」

「仕方ないな~、ん?」

 

 目の前には何か門があった。


「あれって魔王城への門だっけ?」

「そういえば、レウル《あいつ》は魔王と手を組んでたよね?」

「あ~、そんなことも言ってたっけ? 興味なかったから聞いてなかったかも」


 えへへって笑うベルに呆れたような顔でレインは見る。


「そんな目で見ないでよ~」


 レインを揺らしていると、ベルは何か考えたかのようにドアの方を指差す。


「魔王城を探検しない?」

「え、でも……」

「大丈夫よ、レウルさんの妹だって言えば通してくれるでしょ」


 そう言って門の中に飛び込むと、暗黒の世界が広がる。

 微かな光が目の前の城を一層不気味に感じさせる。


「暗い」

「なんか、怖い」

「大丈夫よ、私がいるもん」


 二人はそのまま城に向かって歩き出すと、魔族の門番が立っていた。


「精霊のクソガキが何の用だ?」


 その言葉と同時にレインは魔法を放ち、門番は吹き飛ぶ。


「こ、こらレイン」

「黙ってて」


 その言葉にこれは駄目だと思ったのか、少し下がる。


「誰……が……クソ……ガキ……です……って!」


 そう言って倒れている門番の上に乗り、地団駄を踏む。


「侵入者~!」

 

 そう言うと、しばらくして複数の魔族が現れた。


「精霊族め、ついに我らに牙をむくか!」


 あ、そういえば犬猿の仲だっけ。

 昔そう言えば レウルさん《あの人》がそんな話してたな~。

 いまさらになって軽率だったと思った。

 

「うるさい」


 そう言って魔法を放つレイン。

 氷の刃で敵の増援もろとも殲滅していくのだった。

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