39 罰

 場所はかつて僕を追放した王国の近くの森。

 ノウェムの出した条件、それは僕独自の現勇者に対する調査だ。

 

「死にそうになったら~、頑張って逃げるんだよ~」


 能天気な声でそういわれ、僕はここにいた。


 作戦について

 1.魔族の過激派が勇者一行と対峙する。

 2.対峙してもし、勇者に敗北しそうになれば助ける。

 3.可能であれば勇者の正体、能力を引き出す。

 4.必ず生きて帰ってくること。


 これが彼女の出した条件だ。

 全く、ノウェムの胸を見たくらいでこの仕打ち……割に合わん。

 いっそ揉んでいたならっと思うが、僕にそんな度胸は……ない。

 森を歩いていると、人の気配が近づいてくる。

 恐らく勇者達だろう。

 これの出番か……。

 取り出したのは僕が作り出した42の箱の中の23と書かれた箱を取り出す。


「≪でろ≫」

 

 そういうと、箱から大きなローブが姿を現す。

 この箱は僕が作った収納魔法だ。

 それぞれ使うものには数字が書かれ、20から下が主に便利道具でそこから上、中でも一桁の箱には僕の作った選りすぐりの武器が収納されている。

 そして僕はローブを被る。

 お、来た来た……ビンゴだ。

 かつて所持していて見間違えるわけがない。

 持ち主も一応は見たことがある。

 名前は忘れたが、ノウェムの事が大好きだったことは覚えている。

 昔と比べて少し強くなったように思えた……。

 

 そして問題のローブの男を見る。

 あれがノウェムが言ってたヤバい奴か……。

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