23 毎度の来客

子供達の部屋に班分けをして各自自由時間として僕は一旦自分の家へ帰ることにした。


「何でお前らがいる」


 目の前にはウルスラ・エレナ・ノウェムの三人がいた。


「お邪魔してま~す」

「不法侵入」

「固いこと言わない~」


 ノウェムが口に人差し指を当てながら言う姿は可愛いが、そんなことでうやむやにはしない。

 

「出ていけ」

「えぇ~、こんな可愛い子を外にほったらかすなんて~、襲われちゃってもいいの~?」


 両手を顔に当てて可愛い子振る彼女に少しドキッとしてしまった。

 

「大丈夫だ、外には魔物が居ないから」

「あれあれ~、照れてる~可愛いなぁ~」


 ノウェムは悪戯っぽい顔で僕を見る。


「う、うるさいな! お前ら毎日毎日来やがって!」

「えぇ~、私達が来て嬉しいくせに~」

「いい加減にしなさい、レウルの女性耐性がもう限界よ」


 エレナがノウェムを嗜めるように言うと、何かを見透かしたような顔でエレナを見つめる。


「えぇ~、それはエレナもじゃないの~?」

「何の事?」

「そ・れ・は~、むごっ!?」


 何かを言おうとするノウェムの口を塞ぐエレナ。

 もごもごと口を動かすノウェム、心なしか苦しそうだ。


「エレナ、死ぬぞ」

「あ……」


 僕がそう言うと、ノウェムの口から手を離すと、彼女は呼吸をしようとして咽た《むせた》のだった。

 

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