いくつかの記事抜粋 瑠奈編

『春の番組改変で『名人の料理』が復活する。

 鮎河自動車が冠スポンサーを降りて制作費の高騰から番組を終了することになったが、桂華グループの帝西百貨店が全面支援を約束し日曜深夜枠での復活となった。

 帝西百貨店は冠スポンサーの条件に、指定食材の全面提供とその食材を放送後に帝西百貨店で売ること、その指定食材を使った簡単な料理レシピを一品加えることを要求。

 食材の多くは取引がある北海道の食材を空輸しており、販促に繋げることを目的にしている。

 再開第一回の材料はホタテ貝で、フレンチの名人と桂華ホテル新宿料理長の対決はフレンチの名人の勝利となった。

 なお、撮影用の料理は本来処分されるのだが、今回の撮影を見学していた桂華院瑠奈公爵令嬢に提供され、その美食を堪能している。

 彼女は今回の審査員には加わっておらず、取材に対して「どっちがいいかは内緒♪」と応じた』


(写真は出された料理を堪能している桂華院瑠奈公爵令嬢)




『岩崎重工はフェリー『ダイヤモンドアクトレス』の進水式を行った。

 岩崎重工長崎造船所で建造されたこの船は、現在同造船所で建造中の『ダイヤモンドプリマドンナ』と共に帝国郵船に吸収合併された桂華商船が計画していたもので、赤松商事の子会社である赤松北海道フェリーが運営し、苫小牧ー大洗-東京の太平洋航路に投入される。

 総トン数30000トン30ノットで、トラック搭載数300台、旅客定員1000人を超える超高速大型フェリーであり、近年関東への輸送量が増大している生鮮食料品を運ぶことを目的としている。

 この進水式に参加した桂華院瑠奈公爵令嬢は、「北海道と本州の物流を担う一翼となって欲しい」とコメント……』


(写真は進水式のワインを割る桂華院瑠奈公爵令嬢)




『ゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭が北海道夕張市で開催され、桂華グループの全面協賛の下、華々しく行われた。

 桂華グループは夕張市の市債購入等でこのイベントに協力しており、北海道の俳優だけでなく桂華歌劇団や岩沢プロダクションの俳優が参加して年々華やかになっている。

 夕張市は炭鉱の閉山などで過疎化が進んでいたが、桂華グループの企業城下町として生き残ることを選択。

 住民の多くはここを開発しているムーンライト北海道リゾート夕張に関与しており、お手盛りイベントという批判も一部あるが、今や観光客を集めるイベントにまでなっており、その声は小さい。

 挨拶をした桂華院瑠奈公爵令嬢は業界でも噂になっている美声を披露して参加者を魅了した上で「どうか楽しんでいってください♪」と一言……』


(写真は挨拶で映画の主題歌を歌う桂華院瑠奈公爵令嬢。「この曲ゲームで覚えましたのよ♪」とコメント)




『クラシック業界関係者の間で桂華院瑠奈公爵令嬢の話題が上がらない日は無い。

 『21世紀のサラ・ベルナール』と謳われるその歌声はまだ小学生にもかかわらず、『夜の女王のアリア』を歌い上げるなど、日本のクラシック業界関係者にまたたく間に広がり、ヨーロッパにその名前が広まるのにそれほどの時間はかからなかったようだ。

 彼女は帝亜国際フィルハーモニー管弦楽団と協演する場合が多いが、その歌声には更に磨きが掛かっており、艶のある美声は、今後日本においてトップクラスのソプラノ歌手になることは間違いがないだろう。

 そのため、クラシックの本場であるヨーロッパへ、小学校卒業後にも留学させるべきではという声が上がっては消えている。

 ただし、彼女の特殊な血筋、つまりロマノフ家高位継承者でロマノフ家の財宝を持っているとさえ囁かれている血筋であるために、彼女の欧州留学は貴族社会の混乱を招くだけでなく政治的な爆弾にもなりかねない。

 彼女の欧州留学はロシアを刺激しかねず、EUの東方拡大でロシアを刺激している現状においては、余計な刺激を与えるべきではないという意見もある一方で、『音楽に国境は無い!あの歌声を死蔵することは音楽の女神への冒涜だ』という意見もあるが広がりに欠けて……』


(写真は桂華歌劇団の舞台『ジスモンダ』の見学に来て、劇団員からすすめられてジスモンダの衣装を着る桂華院瑠奈公爵令嬢)



『春の帝都ゲームショウが開幕し、各社それぞれのゲームを投入し盛況を見せている。

 特に、ダンスゲームを出している会社では大会が開かれ、多くの猛者が集まってその人気ぶりを見せつけた。

 サプライズだったのが、一般参加部門で飛び入りで参加した少女で、そのダンスと美声に観客が熱狂。

 慌てたスタッフと護衛の秘書とメイドが揉めるという一幕があり、この少女が桂華院瑠奈公爵令嬢であると判明。

 会場を大いに沸かせることになった。 

 桂華院瑠奈公爵令嬢は、クラシックの世界で『21世紀のサラ・ベルナール』と称される歌姫で、会場の熱狂はある意味当然だとは言えるが、お忍び参加だったらしく後で護衛の秘書とメイドにこってりと叱られたらしい』


(写真は大会でその美声と可憐なダンスを披露する桂華院瑠奈公爵令嬢)




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名人の料理

 某料理対決番組。現実では99年に終わっている。

 調べて末期は制作費がきつかったとか書かれて世知辛さを感じたのは内緒。

 瑠奈が本物の主催になった瞬間である。


二隻のカーフェリー

 ちょっと視点を変えて、『大隊規模の機械化部隊を運べる』とすると……


夕張市

 もちろん破綻するのが分かっているので、足元を見て取り込んだ。

 ムーンライト北海道リゾート夕張はゲーテッド・コミュニティの皮をかぶったPMCの基地&訓練拠点であり、何かあったら苫小牧や新千歳空港まで列車で行けるのが強みだから夕張支線の補助だけでなく、所有するキハ261系二編成を北海道の鉄道会社に委託している。

 夕張シューパロダムの建設を推進し水利権と発電による収益改善や、メタンガス資源開発や行政委託なども請け負っており、桂華グループが世界各地で行う資源ビジネスの実験施設という見方もできる。


瑠奈が歌った歌

 『グーニーズ』の主題歌。なお歌手はシンディ・ローパー。

 あの頃のコナミのゲームは神ゲーだった……


舞台の瑠奈の衣装

 もちろんサラ・ベルナールの代表作となったあれである。


ダンスゲーム

 ゲーセンに置いてあるあのダンスゲーム。

 瑠奈が踊ったのは『蝶』と『英雄』。

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