第11話 冒険者組合、ギルド(1)

 キョロ!


 キョロ、キョロ! と、森の木陰から覗き、ではないが。


 町の建物の陰から、人の影──。


 それも余り背もたかくなく、みすぼらしい容姿の小男が、不審に辺りをキョロキョロと見渡しては確認をしている様子が目に映るから。


 あのみすぼらしい男は、何者なのだろうか?


 まあ、そんなことを思いつつ、頭には頭巾を深くかぶり、自身の顔を隠した上に、汚れたマントを羽織る、汚い男の様子を窺っていると。


 彼はわりと長い時間、建物を移動する度に、辺りを注意深く見渡しつつ確認──。


 そしてある大きな公営の建物の近くにくれば。


 また辺りをキョロキョロと注意深く、挙動不審に確認をすれば。


「ふぅ」と嘆息を漏らし。


 その後は大変に御立派な、公営の建物へと近寄り──。


 彼は正面の大きな観音扉を開け、建物へと侵入するわけではなく。


 その公営の建物サイドにある、売店へと続く、小さな扉をガラン、ガラン! と開けると建物──。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る