第11話 試験結果と学年二位、そして忍び寄る業伽
(
「作ってみたのだけど、お昼に食べてくれる?」
「いいの?ほんとに?俺の為に?やばぁい、俺、今日、幸せ過ぎて死んじゃうかもしれない」
心配する必要なんてなかったのだと、
***
昼になり、四個の机を寄せて、
違う事と言えば、
「なんだか、遠い昔みたいに感じるけど去年なんだよね」
「おい、
「ごめんなさい、でも、忘れられなくて……、
「そうだけどよ。ごめんな、
結局、誰もが区別して下の名前を呼びたがる。
誰一人として
まるで、存在を消された様に。
「うん、
「
「
「ありがとう、
「もう、湿っぽくなっちまうだろ、さっさと食べようぜ」
気を使ったんじゃなくて単純に食欲が勝っただけみたいだとすぐに気づいた。
「っていうか、お前、手作り弁当食べたいだけだろが」
「あははは、バレてしまったか、羨ましいだろう?ほれほれ~」
どれだけ有頂天になっているのか、お弁当を見せつけて喜んでいる。
あんまりはしゃいでると落としそうなのが心配だ。
「卵焼き頂き!」
「私にも!」
「「んまーー!!」」
「俺の卵焼きがなくなったああああ!」
「あはは、じゃあ私のあげる」
騒がしくも忙しい、なんとも楽しいお弁当の時間。
こんなふうに和気あいあいと集まれるなんて、ちょっと前では考える事も出来なかったと幸せを噛みしめる
***
翌週になって、中間試験の順位が掲示板に張り出された。
その結果を見る事を忘れていた
「学年1位、
周りが一斉にお祝いの声をかけてきた。
その少し前の事、掲示板を見つめ佇み落ち込んでいる男子が居た。
張り紙の1位には転校生の名前が書いてある。
その転校生は1か月の間入院していて、勉強が遅れていたにも拘わらずだ。
1年の頃にずっと1位をキープしていた優等生が転校生を睨みつけていた。
なんと言っても、その優等生は転校生と同じクラスなのだから悔しさも倍増だ。
教室に戻ると、その転校生がお祝いの言葉を一身に浴びている。
その男子は呟いた。
「あれば僕の場所だ」
『チクショウ……、チクショウ、チクショウ、チクショウ、チクショウ!!学年一位だけじゃ飽き足らず、マイニチ、マイニチ、マイニチ、イチャイチャしやがって!!ミナに祝われてナニヘラヘラしてやがる、鬱陶しい、キエレバいいのに!』
その声に
この教室の誰かが
そして、内容からして
魔法が発動している事を確認し、回りをさっと確認する。
すると、
まだ具現化してないから、誰にも気づかれていない。
その
徐々にスカートの中を埋め尽くそうとする
周りとの会話の雰囲気を壊したくない
それに、ここで具現化されたら、何をされるかわかった物じゃない。
焦る
「
「う、うん、大丈夫」
その言葉に
「無理するなよ、また入院したら大変だろ」
「うん、ありがと」
「
「そうかな、普通だと思うけど?
「「………」」
何かを言いたげな
その時、
二人が何の話もしない事に苛立ちを感じ、つい保健室に入ってしまう。
「
「なななな、なにを言ってるんだ
「はいはい、
「──わかった」
「
「え……」
1年の夏、放課後に教室に忘れ物を取りに帰った
それからしばらくして、
その
「
「な、何のこと?」
「とぼけちゃって、もうシたんでしょ、早いなぁお試し期間じゃなかったの?」
「してないよ……ほんとに」
「じゃああの噂、本当なの?」
「噂?」
「そう、
そんな
その実、
時々、ちょっとしたハプニングはあるものの、別にデキてると呼ばれる様な関係ではない。
「デキてなんかないよ、
「今は信じてもいいけど、
「本当は
その事は
そして、
「女って面倒臭いな……」
明後日から始まるGW連休の大半を研究所に泊まり込む予定である以上、動けるのは今日くらいだと思う
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