第10話 二股について悩む、そして心乃葉は募らせる
黙っていてバレるよりかは遥にマシだからだ。
だが、
「えー、私と付き合ってるんじゃなかったの?」
「!?」
心当たりがあったのはお仕事手伝えば、告白の返事がOKになるとか言って事だけだ。
あれは女になった事で、
それに、あの言い方ではその場限りの嘘だと取られても仕方がない事だと思った。
さらに言えば、恋愛的に好きだと言われた時も、「男だったら」という、口に出さなかった文字が入っていると思っていた。
だが、どうだろう?これって二股かけた事になるのかと、少し血の気が引く
「──冗談よ。そっちはお試しなんでしょ?でも気を付けた方がいいよ。相手は間違いなく本気になるからね。こういうのって綺麗に別れられるなんて思わない方がいいから、せいぜい相手をドロップアウトさせないようにね」
確かに、
まるで恋愛強者のようなセリフをさらっと出してくるあたり、実はかなりの経験者かと疑う
「
「あるよ、知りたい?」
あまりにも、ニターっとしたイヤラシイ笑い方をするから、
気まずい雰囲気に流された
単純な話、
体的には男子と付き合うべきなのだが、心が受け付けない。
多分、そういう関係になりそうになったら、逃げだしてしまうと
だからと言って、女同士で付き合うってというのは
世間一般に言う百合や同性愛者というのは、どういう心境で何をするのかと誰かに教えを請いたくなる。
そんな風に
「あのね、結論を急ぐ事は無いと思うわ。時間はいっぱいあるんだからゆっくり考えればいいのよ。でもね、私達は老いないし成長もしないのだから、長い人間関係は築けないと思ってね」
「そうだったね……」
その意図、その意味を
「人間関係なんて曖昧な方がいいのよ、そういう意味じゃセフレもアリなんじゃない?私は
「──わかった」
そもそも男相手に性体験なんて、絶対嫌だと思う
だが、
それは自分であれ相手であれ幸福値が下がらない様な関係なら、どんな関係でもいいと言いたいのだが、
そして、そのフォローとして、更に悪い方向に言葉を繋げてしまった。
「あ、あと避妊はちゃんとしなさいよ、アフターピル取り寄せようか?まぁ、今は妊娠しないだろうけど、そういうのが慢性的にならない様に──」
「セフレいるんだ……」
「いないわよ!男性恐怖症だって言ってるでしょ!」
「じゃあ、妊娠しないってどういう事?」
まるで言ってはいけない事を言ってしまった様な反応をする。
それを見て、
「それって生理が来てないからって意味?」
「うぅ……、いえ、ちょっと違う…、あのね、ショック受けるかもしれないから黙ってたの」
「どんな事?いいから教えて」
いけない事をしてしまった子供の様に口を閉じてしまった。
長い沈黙が続いた。時折、睨む
「わかった、説明する。──
「死────って、私は生きてるよ!この通り────」
「うん、生きてるよ、安心して……ただ、その時ね
もしかすると嘘なのではないかと一瞬、疑う
「もちろん摘出したよ。ただ、その影響か分からないけど生殖機能が止まってるみたい、生理が来ないのはそのせいじゃないかって言われてるわ」
「まぁ、生理が来ないのは助かるけど、それって血に
「血液は至って普通の魔法少女の物だったわ、摘出した物は研究所で調べてるところ。でも、生きてるみたいよ。普通じゃないから見ない方がいいわ」
「それなら問題ないよね、別にショックを受ける程じゃないよ?さてと、ご飯作るよ」
そう言って
後にのこされた
生殖機能が止まっているのは、男を魔法少女化した時、特有の症状だと言う事を。
それは恋愛対象を男とし心から女になった時、生殖機能が動き出して生理が始まるのだ。
それを
「あのまま死んだかもしれないっていうのに、どうしてあんな平然としてられるのかしら」
当時の事を思い出すだけで涙が止まらなくなる。
だが、
恐らくは、
そこで
そして、自分の気持ちに気付いてしまった。
お風呂で
本当は付き合う事になった相手を抹消して独占したくて堪らなかった。
相手が元親友だと知っているからこそ、肉体関係をもったとしても長続きしないと思った。
最終的に
「本当に、人間関係なんて曖昧な方がいいのに……」
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