リーザの家系

 かつてリーザが過ごした孤児院に到着したギン達は、寮長よりリーザの事について話を聞くべく、代表してムルカとルルーが孤児院内へと入っていく。


 ルルーは早速、寮長にリーザの事について尋ね、寮長が返答をする。


「応接の間に案内しますので、そこでお話させていただきます」

「はい」


 寮長の案内で、ルルー達は応接の間に向かい、応接の間に到着すると寮長が扉を開け、ソファーがあり、寮長が2人に座るよう促す。


「どうぞお座りください」


 寮長に促されるとソファーに座り、まずはルルーが口を開く。


「こちらで過ごされていた女優のリーザさんについてお聞きしたいのですが、その前にこちらからお伝えしなくてならない事がございます」

「何でしょうか?」

「実は……」


 ルルーはプレツの港町、ニリでミックサック団が公演中に魔族が突如襲撃し、その際に自分達も魔族と交戦したが、結果リーザが魔族に連れ去られた事を伝えた。


「申し訳ありません、我々の判断ミスと力不足でリーザさんをみすみす魔族に連れ去られる結果になってしましました。なんとお詫びしてよいか」

「いえ、それよりも私が気になるのはリーザ様の事を何故お聞きにいらしゃったのかですね」

「魔族はリーザさんを連れ去った時に『もう1人』という言葉を言っていました、リーザさんともう1人が揃う事で魔族が何か良からぬことをするかもしれないんです」

「そんなことが……」


 ルルーの発言の内容に動揺している寮長だが、更にルルーは自分達の目的を話す。


「ええ、もう1人の方も見つけ、お守りし、その上でリーザさんを助けなくてはなりません、寮長さんが分かる事があれば教えていただきたいのですが」

「……あなた方はプレツのミッツ教団の方々なんですよね?」

「?はい、先程もそう申しましたが……」

「今から話す事は現在は私とピトリの女王陛下やその近辺の方しか知らない事ですが、あなた方にも話さなくてはならないようですね」


 突如神妙な面持ちになった寮長はそこからリーザの事について話し出す。


「まず、今この地方を治めている領主様はリーザ様のご両親はもちろん、の家系でもありません、空白地帯にするわけにはいかず、別の貴族様にお与えになったのです」

「寮長さん、その言い方はまるで、リーザさんとご両親の血筋が違う……、まさか!」

「そうです、リーザ様はご養女なんです、それも……」


 なんとリーザは前領主の実子ではなく養女だったのだ。リーザの元の家系とは?

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