移動手段と情報収集
ニリより出航してから数日が経ち、ウィルがギン達にアイルの港町が目に入った事を伝える。
「おい、みんな見ろよ、もうすぐアイルだぜ」
「それならいつでも降りれる準備をしておこう」
そう言ってギンは船に乗せているループの馬車を取りにループの元へと向かって行く。
ギンがループの元へ向かうと、リンドがウィルに声をかける。
「ぼっちゃん、前の時と同じで俺達が船番をしてますぜ」
「じゃあ今回も傭兵達を何人か残していくぞ」
「いや、それには及びませんぜ」
リンドがウィルの申し出を断った為、疑問を抱いたウィルはリンドに尋ねる。
「何でだ?船にも護衛は必要だろう」
「今回はただでさえお嬢の為に傭兵をニリに残してきてますからね、ぼっちゃん達が魔族と戦う為の戦力をこれ以上割くわけにはいきませんからね」
「お前がそう言うなら、今回はお言葉に甘えるよ」
ウィルとリンドがやり取りをしていると船が船着き場に接近しつつある為、ブライアンが声をかける。
「ウィル、早くいかりを下ろしてくれ、このままじゃ他の船や船着き場に激突するぞ」
「悪い、急いでする」
そう言ってウィルはいかりを下ろす準備をし、適正距離に近づくと船のいかりを下ろし、船を停止させる。
船が停止するとまずギンがループの馬車を御し、安全が確認されると続けて他の仲間も船を降りていく。
全員が船を降りたのを確認するとギンが今後の方針を改めてルルーに尋ねる。
「全員降りたようだな、それでルルー、まず今からはどうする?」
「着いたばかりだけど、早速孤児院に向かいましょう、1日でも早くリーザさんを助けて、もう1人を守らないといけないから」
「ルルー殿、その前に最近、国内で起きた事の情報を集めた方が良いでしょう」
「それじゃあ、それはあなたに任せるわ、私達はとりあえず街の外に出ているから」
ルルーがそう言うとジエイは返答をし、早速情報収集に向かう。
「承知」
ジエイが情報収集に向かったのを確認するとギン達は街の外へと出るべく移動を開始する。
「しかし半数とはいえ、この人数をループの馬車だけで運ぶのは無理があるな」
「確かにそうね、貸し馬車でもう1台借りた方が良さそうね」
「じゃあ、俺が行ってきます傭兵も何人か連れてそのまま街の外に出てますから」
「それならウィルにお願いするわ」
ルルーの言葉を受け、ウィルは傭兵達と貸し馬車に向かう。
ピトリの街アイルに着いた一行ではあるが、移動手段を確保しつつ更なる情報を得る為の奔走から事は始まった。
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