明らかな動揺
エイム達もエンビデス説得に向け動き出した頃、ギンとプラナはブライアン達が魔導騎士団の騎士や兵を引き付けている隙を突いて、魔導騎士団長トーラスへの接近を試みていた。
トーラスに接近しようとする中、ギン達にも兵が迫るが、斬りつけていき、更にジエイも援護に入る。
「大丈夫ですか⁉ギン殿、プラナ殿」
「ああ、大丈夫だ」
「私も大丈夫です」
ジエイの問いかけにギンとプラナが返答をするとジエイが突破の為の策を話す。
「しかし、白兵戦だけでは限度があります。私にお任せを」
そう言ってジエイは印を結び、前方の兵士に対し風の術を放ち、その多くを吹き飛ばす。
「うわああああーーーー!」
風を受けた兵の多くは吹き飛び、吹き飛ばないまでも身動きの取れない将兵も多くいた。
その隙を突き、ギン達は更にトーラスへの距離を詰めていく。その際に更に騎士達も迫り。ギンとプラナは火球を騎士達に向けて放つ。
「どけ!俺達はカイスと話しに来たんだ!」
「これ以上の帝国と他国の戦争は無意味だ、それを分かれ!」
ギンとプラナがそう叫び騎士達をひるませると、遂にトーラスとその従士達の元へとたどり着く。
「トーラス……」
「来たなギン、そしてプラナ」
「トーラス殿……」
一瞬の間ができるがすぐさまギンがトーラスに対して言葉を発する。
「トーラス!俺達はカイスと再度の休戦交渉がしたいだけだ、剣を収めて俺達をカイスの所まで行かせてくれ!」
「敵性国家の、それも先日まで我々と戦っていた者を城内に案内すると思っているのか!」
「交渉をする気はないというのか?」
「当然だ!それを決定するのは皇帝陛下だが、今更貴様らとの交渉は考えられないな」
トーラスはギンの発言を一蹴するが、更にギンはトーラスに話し続ける。
「ならばトーラス、お前がカイスを説得し、そのカイスが他の領主に戦闘停止を命じれば、少なくとも俺達との戦いは終わる。その上でもう1度正式な交渉を……」
「黙れ!私がカイス様の意に反することなどできるわけがない!カイス陛下の命令はお前達の排除だ。今の私はそうする他ない!」
ギンの懇願を受け入れず、トーラスは剣を抜き、臨戦態勢に入ろうとするがその動きを見てプラナがギンに声をかける。
「兄さん、私にトーラス殿と話をさせて」
「プラナ……」
「いつもは冷静なトーラス殿にも明らかな動揺が見られるわ。きっとあの人も今の状況に納得いってないはずよ」
「分かった、だがトーラスがお前に危害を加えるようなら奴を斬ってでもお前を助ける」
ギンの発言にプラナは頷き、トーラスに接近する。プラナはトーラスに何を告げるのか?
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