進め!再度の和睦
カイスの説得を仲間達に訴えるギンであったが、現実的には難しく仲間達は難色を示している。特にウィルは帝国ならびにカイスが戦いを望むなら受けて立つべきと強く主張をする。
そんな中、ブライアンが以前ギガスとの決着をつけた時のように帝国に乗り込み、そのうえでカイスとの話し合いに持ちこむべきと主張するが、ウィルは無謀だと一蹴し、ジエイも同調するかに見えたが、ある含みを残しており、気になったウィルが尋ねている。
「ずいぶん思わせぶりな言い方しているけど、一体どういう意味だ?」
「我らだけで帝国に再度乗り込むのは難しいでしょうが、フィファーナ将軍の協力があればさほど難しくはありますまい」
「仮にそれで乗り込めたとしてもカイスや領主達の説得はどうするんだ?」
「わざわざ、フィファーナ将軍が我ら次第では協力すると言っているのです。何かしらの考えがあるのでしょう」
ジエイの発言を聞いて、フィファーナが言葉を発する。
「さすがはジエイじゃのう、まあ、わらわはあくまできっかけを作ってやるにすぎん、結局はそち達にかかっておる事に変わりはない」
「やはりそうでしょうな、ですが協力があるだけでも我らとしてはありがたいですな」
ジエイとフィファーナのやり取りを聞いて、ウィルがフィファーナに尋ねる。
「俺達に協力するっていっても、一体あんたは俺達の為に何をしてくれるんだ?」
「おやおや、確かそちは主戦派ではなかったか、帝国と戦う覚悟があると申したではないか」
「聞くぐらいいいだろう!」
「冗談の通じん奴じゃのう、そんなムキになるでない」
ウィルの発言を軽く受け流しながらフィファーナはギン達にどのような形で協力するかを説明する。
「わらわはカイスの心を縛っている領主達を説得してみる。生前に父の世話になった者も多いし、わらわの話を聞く者もいるはずじゃ、上手くいくかは分からん、だが今ルドルフが領地を留守にしているなら、ルードの説得も試す価値があるかもしれん」
ルードの名を聞いて、説得することに疑問を感じたプラナがフィファーナに疑問をぶつける。
「ルード様はルドルフ様のご子息ですから、ルドルフ様に従うのでは?」
「ルドルフがカイスについて国政を取り仕切ってから、ルホールをないがしろにし、領内でもその事に不満を持つ者はおる、そこを落としどころにすればルードも動くやもしれん」
複雑となった帝国領内、そんな中ギン達はどうするのか?
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