挟撃を防げ

バンス隊の副官であるブリードが率いる本隊が動き出し、徐々にではあるがギン達に迫ってきていた。


 3つ目の砦を陥落させたギン達はその迫って来る本隊の対応について話す。


「あれが敵の本隊で、誰が指揮しているかは分からないが、俺達の方に向かってきているな」

 

 ギンが言葉を発するとムルカがギンに対し言葉を放つ。


「うむ、砦を落としつつ本隊と戦うとなると、挟撃を受ける恐れがあるな」


 ムルカの言葉を聞いてからギンは他の仲間に声をかける。


「ヨナ、ウィル、お前達は傭兵達を指揮してそれぞれ砦に突入してくれ」


 ギンの発言を耳にしてヨナとウィルが応える。


「任せてよ」

「へへ、見てろよ」


 続けてジエイとミニルにも声をかける。


「ジエイ、ミニル、2人のサポートを頼む」

「承知」

「はい、任せてください」


 そしてギンは残りの者に声をかける。


「俺達は本隊を目指すぞ」


 そう言ってそれぞれが役割を果たすべく動いていく。


 砦突入前にウィルがミニルに声をかける。


「ミニル、傭兵達は正面から突破させるから俺を風で砦まで飛ばしてくれ」

「兄さん、何か考えがあるの?」

「奴らに矢を撃たす暇を与えねえ、あの傭兵達なら槍隊は十分に叩ける」

「やっぱり兄さんも父さんと同じ傭兵の血が流れているのね。それじゃあいくわよ」


 そう言ってミニルは風を起こし、ウィルを砦の方向へと飛ばす。


 突如ウィルが飛んできたことに兵たちは意表を突かれ、矢を撃つ間もなくウィルになぎ倒される。


「みんなーーー、弓の心配はいらねえおもいっきりやれーーー!」


 ウィルの掛け声に傭兵達が帝国兵を次々となぎ倒していく。


 一方でジエイとヨナも砦突入の作戦を立てていた。


「ではヨナ殿、私が砦に侵入し、弓隊の背後を突くのでその隙に突入を」

「あんたならそういったことはお手のもんだもんね。頼むよ」


 ヨナの言葉にジエイはうなずき、正面より砦に近づいていく。


 弓隊がジエイに対し矢を放つがジエイが回避し、気が付くとジエイが自分達の後ろに回っていた。


 だがすぐさまジエイは短剣で兵を刺していき、次から次へと兵は倒れていく。


 やがて弓隊の動きが止まったのに気付いたヨナは部下達に声をかける。


「みんな、今がチャンスだ!行くよーーー!」

「おーーー!」


 ヨナと傭兵団が帝国兵をなぎ倒していった。


 そしてウィルがミニルや他の傭兵達に声をかけている。


「よし、ギン達が楽に通れるように他の砦も落とすぞ」

「うん」

「おーーー!」


 ギン達の勢いがどんどんと増していく。このまま突破できるか?

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