ラックの街で……

 ラックの街に到着したギン達はミックサック団と別れた後にどう過ごすかを話しており、ルルーが言葉を発していた。


「またここから王都を目指すのには数日かかるし、戦いもあったから今日はこの街で休んでいきましょう」


 ルルーの言葉を聞いて、ブライアンが思い出したかのように発言する。


「この街でミックサック団が公演をするなら他にもなにかあるんじゃないのか?それを観て過ごそうぜ」

「それもいいわね、ブライアン、たまにはいいこと言うじゃない」

わ余計だろ」


 ルルーとブライアンがやりとりをしているとミニルが広場に行ってみることを提案する。


「とりあえず、広場に行ってみませんか?今何かやっているかも知れないので」


 ミニルの提案を受け、一同は広場を目指す。


 今回はジエイとヨナも同行している。ヨナの部下達は大集団にならないようある程度ギン達より距離をとって歩いている。


 広場に着くが、見物人らしき者達はおらず、広場の舞台で何か準備をしている者達がいる。


 その人物達にミニルが近づき、現在の状況を尋ねる。


「あの、すいません、今日はもう催し物はないんですか?」

「ええ、明日にミックサック団の方々が舞台をやるんで、その準備をしているんですよ」


 舞台の準備をしている男からそのように聞いたミニルは一同にそう説明し、一同は再びどうするかを話そうとするが、ギンが思い出すかのように言葉を発する。


「少し気になったことがあるんだがいいか?」


 ギンの問いかけにエイムが最初に反応をする。


「どうしたんですか?」

「魔導騎士団はこの国に魔族の調査と討伐の為と言っていたな」


 ギンの言葉を聞いてルルーが返答をする。


「それがどうしたの?」

「奴らはかなり多くの兵を引き連れていたにも関わらず、ピトリの軍が動いた気配がない、この国は帝国を受け入れているのかもしれない」

「帝国の支配下、あるいは同盟を結んでいるって事?だけどそんな情報はないわ」


 ルルーの言葉を聞いてムルカが1つの仮説を立てる。


「もしかすると魔族関連のみ協力しているかも知れぬな、ピトリが帝国の要請や命令で他国に軍を派遣したという事実がないうえで、彼らの行動に無警戒となると」


 ムルカの仮説に納得がいかないブライアンが疑問を投げかける。


「だけどよ、それなら魔族を倒すまでは俺達と協力したっていいんじゃねえのか?なんでそこだけ頑なに拒むんだ?」

「早い話が、ピトリは帝国から見て信用でき、我らは信用できんということであろう」


ギン達が疑問を抱いた帝国とピトリの関係、これは対魔族にとって何を意味するのか?

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