帰還する者
元海の傭兵で、今は船を使った運搬業を営んでいるボガードの息子であるウィルは父にそしてギン達に対してブロッス帝国との戦いに参加する決意を示し、その決意を父、そしてギン達も受け止めスップにあるミッツ教団の教会にたどり着こうとしている。
「では私は馬車を停めてきますので、皆さんは教会へお入りください」
ミッツ教徒がそう言って、馬車を停車するために馬小屋へと向かうと、ギン達は教会の中に入っていく。
「ギンさん、ジエイさんお帰りなさい!無事だったんですね」
エイムがギン達が帰って来たことに反応を示すとギン達も反応を返す。
「今戻った、そちらも無事だったようだな」
「我らも骨が折れましたがそちらはいかがでしたか?」
ジエイの問いにブライアンが返答をする。
「なんといってもエイムの活躍が大きくて、俺達は大した被害もなく戦えたぜ」
「でもそれは皆さんが作戦を立てて下さったおかげで私じゃあ思いつきませんでしたよ」
エイムの言葉に対しルルーがねぎらいの言葉をかける。
「でもねエイム、あなたがいたから私達も戦いやすくなっているし、兵士の方達の被害も抑えられたの。そこは誇ってもいいと思うわ」
「ありがとうございますルルーさん!」
エイムとルルーがやり取りをしている中、ギンはムルカとルルーに話を持ち掛けた。
「そうだ、ムルカ殿、ルルー、少しいいか?」
ギンの問いかけにムルカが応じる。
「何だ?ギン殿」
「はい、ボガード殿の息子であるウィルが俺達と共にブロッス帝国と戦うことを志願しているのですがどうしますか?」
「何と!ウィル殿それはどういった理由か聞かせてもらえるか?」
ムルカの問いにウィルが自身の考えを話す。
「帝国は海をも牛耳っています、海は誰の者でもない自由な海を守りたい、その為に俺は帝国と戦います!」
「海か……確かに帝国の水軍を取り除くことも大事ではあるが、我々は1日も早く戦争を終わらせるために戦っておる。それは理解しているのか?」
「難しい話は俺には分かりませんが、帝国がいろんな物を人から奪うなら戦わないといけないとは思いました」
「貴殿の考えは分かった。我々は貴殿の協力を受け入れる」
ムルカの言葉を聞き、ウィルは礼の言葉を述べる。
「ありがとうございます!是非お願いします!」
ムルカとウィルのやりとりが終わるとボガードが間を置かずにムルカに話しかける。
「俺からもあんた達に話したいことがある。報酬の話もしたいが、その前に1つ提案がある」
「何でしょうか?」
「俺達の船をあんた達に貸し出したいと思っている」
ボガードの真意とは?
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