守るべき日々

 ジエイとヨナの傭兵団の一員がミッツ教団の教会に戻ってからしばらくすると、ギン達もウィルとミニルと共に教会まで戻って来る。


「ルルー、ただいま戻りました」

「同じくムルカ、ただいま戻りました」


 ルルーとムルカの帰りの挨拶を聞き、司祭が声をかけた。


「ムルカ、ルルー、お帰りなさい。それでボガード氏はどうでしたか?」

「本人は怪我をしており、お子さん2人が協力して下さいます」


 ルルーが2人の話をすると、ムルカがウィルとミニルに声をかける。


「紹介しよう我らがミッツ教団の司祭様だ」


 ムルカより紹介された司祭は2人に挨拶をした。


「はるばるお越しくださいました、私がミッツ教団の司祭です」

「どうも、ウィルです」

「私はミニルと申します」


 司祭、ウィル達がそれぞれ自己紹介をしているとエイムやブライアン達はギンに声をかける。


「ギンさん、お疲れ様です」

「あの2人かどうなんだ?」


 ブライアンの問いにギンが返事を返す。


「あの2人は風水使いで精霊の声が聞こえるようだ。その術を活かして俺達に協力してくれるようだ」


 精霊の声が聞こえるという言葉にエイムが疑問に思い、ギンに尋ねる。


「精霊の声が聞こえるってどういう事なんですか?」

「なんでも、海路の安全ルートとかを教えてくれるようだ。ただ会話ができるわけではないようだ」


 ギンとエイムが会話をしているとマリンが声をかける。


「よかったねおねえちゃん、おにいちゃんちゃんと帰って来たよ」

「おおげさですよ、別に危険なことをしにいったわけじゃないんですから。マリンちゃん、これから私達大事なお話をしないとダメだからおうちに帰りましょう」

「うん!頑張ってね」


 マリンがエイムの言葉に応じ、帰ろうとするのを察したマリンの兄が二フラに声をかける。


「隊長、自分は妹を家に送り届けてきます」

「そうか、ならお前はそのまま詰所に戻って侵攻に備えておけ」

「はっ!」


 マリンの兄はマリンに話しかけ、帰るよう促す。


「さっ、マリン帰ろう」

「うん!またねおねえちゃん」


 そう言ってマリンはエイムに対し大きく手を振って兄と共に教会をあとにする。


 マリンが教会から去っていくタイミングを見てエイムがギンに話しかけた。


「あのギンさん、私達が帝国に勝たないとマリンちゃんや他の子供達は安心して過ごすことができないから、私頑張ります!」

「エイム、そうだな俺達みんなでやろう」

「はい!」


 ギンは二フラの方に体を向き直して二フラに告げる。


「二フラ殿、早速、作戦について話しましょう」

「もちろんです」


 守るべき日々を守る。その為に一同は戦いへと向かう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る