森への調査

 ギン達はエイムが使用した探知魔法で得た情報をもとに、魔物を操っていた者の捜索並びに討伐の為に西の方角の森へと向かう準備をしていた。


 その最中ヨナが傭兵団達に指示を出す。


「じゃあいいかい、あたしはギン達と魔物を操っていた奴をやっつけに行くけどあんたらはしっかりとこの村を守るんだよ」

「任せて下せえ、姉御」


 その一方でルルーがミッツ教徒と話している。


「それじゃあ頼むわ。念のため結界を張っておいて」

「はっ!」


 その話を聞いてブライアンがルルーに対し結界について尋ねた。


「なあルルー、結界ってなんだ?」

「結界っていうのは術者が定めた範囲内に外部からの干渉ができない、強力な魔力障壁よ」

「じゃあそれがあれば魔物が入ってこれないのか、便利だな」

「そうとも言えないわ。術者の魔力が切れれば、結界は消えてしまうし、魔力が尽きるからすぐに他の魔法も使うことができないわ」


 ブライアンが驚きを隠せない中、ルルーが説明を続ける。


「彼の魔力ならちょうど私達が森の奥まで言って、戻って来るってところだから、早く操っている者を倒さないとだめだわ」

「そうか……」


 ルルーとブライアンが話している時にギンがエイムに尋ねていた。


「エイム、その探知魔法は近づくと精度が増すのか?」

「はい、対象者が近づくとより魔力を感じ取れ、離れると魔力の感じ取り方は弱まります。今はまだ西の方角から動いていないと思います」

「そうか。それじゃあ急いで向かおう」

「はい、あとこの魔法は私の意識が途切れると強制的に効果がなくなるので一瞬でも眠ったりすると分からなくなります」


 エイムは自らの魔法が睡眠でも途切れることを訴え、ギンはより一層急ぐ気持ちが高まる。


「それなら日の高い今の間に森に入ろう」

「そうですね」


 ギン達が話し終えるとムルカが声をかける。


「では、みんな森へと向かうぞ」


 ムルカの声を聞いてギン達は森へと向かおうとして村長に見送られる。


「皆さん、どうかお願いします」


 村長の言葉に対しルルーが返事を返す。


「お任せください。この村から脅威を取り払ってみせます」


 そう言ってルルー、そしてギン達は村を出て森へと入っていく。


 森へ入るやいなや、ギンが一同に呼びかける。


「みんな、俺が先頭で行く、エイム、魔力の方向を俺に教えてくれ」

「はい」


 ギンとエイムがやりとりをしているとムルカが口を挟む。


「ならば私が最後方を守る。ギン殿達は前方を注意してくれ」

「分かりました、お願いします」

「ムルカ様も気を付けて下さい」


 ギンとエイムの言葉を聞いてムルカは頷く。


 この先に待ち受けている者とは?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る