第6話:サキュバス登場

■場所:祐子の通う中学校■


祐子「(デュラハンの騒ぎから5日、あれから他の四天王や魔王が現れたという情報はなかった。ミリューと佐和子は新宿で野宿を続けているらしい)」


祐子「あー、日直の仕事で遅くなってしまった。早く着替えて陸上部の練習に参加しないと」


(SE:扉が開く音)


祐子「ぎゃーっ!!」


佐和子「おおっ! ラッキースケベだし?!」


ミリュー「祐子、大変です!」


祐子「着替え中ですよ! いいから早く扉を閉めて!」


(SE:扉を閉める音)


祐子「それで、何?」


ミリュー「大変です! 魔界四天王の一人、サキュバスが吉祥寺駅前で暴れているのです!」


祐子「ええっ! それは大変!」


ミリュー「一緒に戦いましょう!」


祐子「わかった! 服、着るからちょっと待って」




■場所:吉祥寺駅前北口■


(SE:駆ける足音)


祐子「これは?! みんなが商店街を破壊している」


ミリュー「サキュバスが、フェロモンで男どもを惑わせて、言うことを聞かせているのよ」


佐和子「それで、お店を襲撃させてるってわけだし」


祐子「なんてことを!」


ミリュー「よし! 変身よ!」


祐子、ミリュー、佐和子「“パトピラプンペフォポムール”!」


(SE:変身してるっぽいSE)

(SE:サキュバスの翼の音)


サキュバス「おお! 魔法少女ミリューじゃないか! こんなところで会おうとは」


ミリュー「サキュバス! この世界でも暴れるとは、何を考えている!?」


サキュバス「この世界に混沌をもたらし、魔界へと変えてしまうのさ」


ミリュー「そうはさせない! 私たちが、デュラハンの様に退治してやるわ!」


サキュバス「デュラハン?! そうか、連絡がつかないと思ったら、お前たちがやったのか?」


ミリュー「そうよ!」


サキュバス「所詮、デュラハンは四天王のなかで最弱」


祐子「そのセリフ言うと思った!」


ミリュー「あなたも覚悟しなさい!」


サキュバス「返り討ちにしてくれるわ! お前たち、あいつらを捕らえろ!」


佐和子「わっ、オッサンどもがこっちにやってくる。キモッ!」


祐子「ゾンビみたいですね」


佐和子「アタシが、オッサンどもを稲妻で気絶させていくから、ミリューと祐子はサキュバスをやっつけるし!」


祐子、ミリュー「わかった!」


佐和子「食らえ稲妻!」


(SE:稲妻の音)


祐子「“エクスペクト・パトローナム”!」


(SE:氷)


ミリュー「炎の嵐!」


(SE:炎)

(SE:サキュバスの翼の音)


サキュバス「ふはははは! 全く当たらないぞ!」


ミリュー「相手が空を飛んでいては、狙いが定まらないわ!」


祐子「ミリュー! サキュバスの右側を攻撃して! 私は左から攻撃する! そして、あのビルの前に行くように誘導するのよ!」


ミリュー「いい案があるんだね!?」


祐子「ええ、やってみる!」


佐和子「早くやっつけて! オッサンどもを足止めするのも限界だし!」


(SE:稲妻の音)


佐和子「オッサン、キモイっての!」


祐子「行くよ!」


ミリュー「わかった!」


(SE:氷)

(SE:炎)

(SE:サキュバスの翼の音)


サキュバス「おおっ!?」


祐子「今だ!」


(SE:ビル屋上の巨大看板の根元に氷が当たる音)

(SE:看板が崩れる音)


サキュバス「あっ!」


(SE:看板が崩れ地面に激突する音)


サキュバス「ぎゃー!」


祐子「やったわ!」


ミリュー「やった! サキュバスは看板の下敷きね!」


サキュバス「キュウ…」


佐和子「ふう。オッサンたちも正気に戻ったみたいだし」


祐子「サキュバス、死んじゃったの?」


ミリュー「魔族はこれぐらいでは死なないです。気絶しているだけですね。今のうちにロープで縛っておきましょう」


祐子「それでどうするの?」


ミリュー「どこか牢屋があればいいのですが…、祐子、知りませんか?」


祐子「そんなの知らないよ」


ミリュー「じゃあ、段ボールにでも詰めておきましょう」


祐子「ええっ!? それでいいの?」


ミリュー「私たちがずっと監視しておきます」


佐和子「じゃ、早速、段ボールに入れてしまおう」


ミリュー、佐和子「よっこらしょ」


佐和子「あとはガムテープでグルグル巻きにしておけば、いいんじゃね?」


ミリュー「それでいいでしょう」


祐子「本当にいいの?!」


ミリュー「大丈夫ですよ。あとは任せてください」


祐子「そう言うなら…」


ミリュー「じゃあ、今日はここで解散しましょう」


祐子「あと、駅前や商店街が破壊されてボロボロなんだけど、これ、どうしよう」


佐和子「責任負わされる前に逃げようし」


ミリュー「ですね」


祐子「いいの?!」


佐和子「正気に戻ったオッサンどもも、逃げていなくなってるし」


祐子「ほんとだ、いつの間に」


ミリュー「さ、私たちも行きましょ」


祐子「いいのかなぁ…」

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