わざとらしい配信実況スタイルは、すぐ媚びて謝っちゃう詩音ちゃんの声だ
自殺したはずの私の親友、小見川詩音ちゃんが、VTuber『仄白ほのか』ちゃんの、ガワを受肉していた。
後日、私は、同級生の友川朋佳ちゃんと一緒に、ほのかちゃんを推し始めることになる。
「ほのかちゃんの中の人の住所がね、特定されたらしいんだ」
そう言って朋佳ちゃんが見せてくれた画像は、紛れもなく、詩音ちゃんの実家だった。
「一緒に、凸、行かね?」
行けない。
行けるはずがない。亡くなった詩音ちゃんの家に行ったら、匂いとか面影とか絶対に残ってて、もう後を追わずにはいられなくなりそうだから。