第2話 曾祖父 2

彼は蔵を買い取り、中の物を全て出して、物色した。


蔵は大きく、何があるのかさえも分からなかった。


そして、それらの品々に対して専門家を呼び寄せ、鑑定させた。


色々な物がある中、ある鑑定人が驚いて飛んできた。


何かと思い、曾祖父はついて行った。


そこにあったのは木材の山であった。


曾祖父は木材に対して何の知識も無かった。


しかし、その木材は、木材の中では伝説的な木材であった。


現存している事も鑑定人ですら、初めて見るほどの一級品であった。


普通ならそれを財とするが、曾祖父は違った。


その木材を全て使って、一話目に話した家を建てた。


その後も財は増え続け、今の金額にしてピーク時では、


映画の「アイアンマン」よりもお金持ちであった。


アイアンマンは会社を経営しているが、曾祖父は現金だけで


同等なほどの8000憶以上で当時はそれに加え、土地も多く持ち


銀行が出来たら、一番に挨拶に来ていた。8000憶以上というのは


財閥解体後の話である。


その為か、私の父親は人生で一度しか、銀行に行った事が無かった。


キャッシュカードも知らず、「銀行は来るものだ」と言った。


私の記憶をさかのぼると、確かに家にも銀行員が通ってきていた。


医者は生活的な面では無能が多い。


趣味に対してはそれらなりに、実力はある人が多い。


銀行でお金の下ろし方も知らない人間を、


一人で行かせた所で、何もしないまま帰ってくるのがオチだ。


私は付き添いで行ったが、親族の財産相続で何度かは行かなければ


ならないのは前提で分かっていた。


私の父親が代表である以上、父親はいかなければいけない立場であったが


文句や態度の悪さから、本来はNGだが、「次回からは御子息だけで大丈夫です」


と言われた。これは母親から聞いたが、近所の人が亡くなったので、


手伝いの為、通夜に父親は行ったらしいが、すぐに帰ってきた。


話を聞くと、何もしようともしない為、帰されたらしい。


私は親族よりはマシな人生を送ってはいる。お金持ちでは無いが、


哲学という終生まで愉しめる事を知ったからだ。


そして、哲学の世界に医者は非常に少ない。


それは現実派が多いからだ。


簡単に説明すれば、ある日、晩御飯を一緒に食べて欲しいと


母親が言ってきた。母親は非常に軽蔑に値する人だが、それはまた


別の機会に話そう。


私は引き出しが多い、話も大抵の事は知っている。


逆に父親は、宇宙とマラソン観賞と囲碁だけだ。


囲碁に関しては非常に強かった。アマチュアの中ではトップであった。








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