第25話
「それで空間には私も入れるの?」
むしろ入れないと駄々をこねると表情に出しながら。
彼女の気持ちも分かる。
尋問自体は行ったことがありそうだが、俺のやり方が気になるのだろう。
「じゃあ携帯の機種代金持ってくれるなら入れても良いよ。」
「最低、女子にたかるなんて。」
「なんとでも言うが良い。
俺はジェンダーレスな人間だからな。
レディぃぃぃファーストもしなければ、痴漢冤罪にも一切屈しない男だ。」
ちょっと何言ってるかわからないって顔されたが。
とりあえず、お金は自分の所属先から降ろすとの許可をもらったので、空間に入れる。
とりあえず縄で縛った魔族がこちらをにらんでいた。
「キサマ、さっきは良くもやってくれたな。
私をこのような空間に閉じ込めてEロ同人みたいなことするつもりだろ。」
「つまり、ギッコンバッタンとベットの頑丈性を確かめる行為に及ぶと考えたわけだ。
身体に相当な自身があるようだが、なんだキサマの貧相な胸は、魅力の欠「おいてめえ死にてえのか。」
あ、すみませんしつれいやす。」
「大きさがすべてじゃないわ。
身体のバランスが大事なのよ。
大きくても身体とのバランスが悪ければ意味がないわ。」
熱く語るルルさんに敵の魔族もうんうんと納得の表情をしている。
遮ったときのアツは魔王を軽く超える恐れを勇に感じさせた。
「ほれ、私の美ボディを見よ。」
「つまり剝いて良いということだな。
本人の了承も得たことだし、剥くぞ。」
「剝くな!」
「童貞の行動力を舐めるな。
密室、そして自身が掌握する空間で女子と一緒なら襲われる覚悟を持て!」
「え、私も剝かれるの。」
「あ、アンタは良いです。
どうぞお帰りください。
出口は作っておきましたんでどうぞどうぞ。」
「私には魅力が無いって言うの!」
「いやあ、学校一の美少女(笑)であらせられるルル様に手を出すなぞ恐れ多くもこのスケベじじいめの齢が減ってしもうございまする。」
「おちょくってるわね。
ああもうわかったわ。
出て行くわ。
一応普通の尋問だったと伝えておくわよ。」
この漫才は楽しませることが本来の目的ではない。
あくまでも、これから行うはずだった尋問をホントは見て欲しくないために追い出そうとする口実が欲しかった。
自分から出て行くという体さえあれば、後ろめたさを感じづらいと思うだろうから。
彼女が居なくなるのを見届けると俺たち二人きりになった。
そしてようやく尋問が始まるのかと、彼女は肩をすくめた。
「やはり、まともな尋問を行うのだな。
我が弟は息災であったか、異世界より帰還せし者よ。」
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