ヤリチンに彼女を寝取られた陰キャ、覚醒する
デブで陰キャの負け組高校生である佐藤健二は、中学の頃から付き合っている可愛い彼女、河村恵美の存在を支えに毎日を過ごしていた。
だがある日、その彼女である恵美から放課後の屋上に呼び出される。
「話って何かな、恵美ちゃん」
「ごめんなさい健二。私たち、別れよう」
「はぁ!?なんで!?」
果たして屋上に来てみれば、そこには学校一のヤリチンと名高い城島という男と一緒にいる恵美の姿があった。
「本当の恋を知ってしまったの」
唐突に告げられる別れの言葉。
戸惑う健二に、ヤリチンの城島が言った。
「てめぇに、河村は勿体無ぇよ、陰キャラが。こいつはもう俺の女だ」
「あっ…」
突然恵美とキスをする城島。
健二は止めようとするが、しかし恵美が城島を拒絶するどころか、逆に気持ちよさそうに身を委ねているのを見て、思い知ってしまう。
恵美は…もう自分のものでは無くなってしまったと。
自分は大切な彼女を、ヤリチン最低男に寝取られてしまったのだと。
「ああああああ!!!」
感情がぐちゃぐちゃになり、発狂する健二。
「じゃーな、負け犬」
「ごめんね、健二」
そんな健二を取り残し、2人はその場から去っていった
「くそぉ、このままで終われるか!!僕は…いや、俺は変わるんだ!!努力して自分を変えて…絶対に見返してやるっ!!」
1人屋上に残された健二は、涙ながらにそんな誓いを立てる。
夏休み期間を使い、ひたすら自分磨きの努力をした健二。
気がつけば、だらしなかった体はスリムになり、苦手だった勉強もスポーツも得意になっていた。
「なんだか生まれ変わった気がする。よし、今日から心を入れ替えて頑張ろう」
そうしてやってきた登校日。
健二は軽い足取りで高校へと向かうのだが…
「ねぇ、見てあの人。めちゃくちゃカッコいい…」
「うちの生徒!?あんな人いたっけれ?マジでタイプのイケメンなんだけど…」
痩せて髪形を整えたことで実はイケメンだと発覚した健二は、たくさんの女子から言い寄られることになるのだった。
更に…
「嘘でしょ…?あれが健二?」
健二を捨てた恵美は、生まれ変わった元彼氏の姿を見て、自分の選択を死ぬほど後悔することになる。