第300話 不屈の精神

「レイズ」



 ディニエルの血がなくなっているにも関わらず頬を袖で拭いた努は、すぐにダリルを装備がある付近に蘇生させる。空中に打ち上がる光で辺りが照らされる中、ディニエルを切り裂いた爪を見つめてニタニタとしている成れの果てに向き合った。



(久しぶりだな、この感覚は)



 ディニエルが三人突然死した状況を見て、時間と装備の無駄だと言って死を選んだこと。それ自体はこの世界の探索者からすれば常識である。悪戯に勝負を長引かせて消耗品であるポーションや魔道具を使って全滅するのは確かに無駄であるし、苦労して手に入れたダンジョン産の装備をロストしないために動くことも悪くはない。


 ただディニエルのそれは、建前もあっただろう。どうせもう勝てないのだから、頑張る必要はない。これ以上無駄に戦うのは面倒くさいという感情がなかったとは言えない。そのことに腹は立っていたが、そんなディニエルと同じような者は『ライブダンジョン!』の大人数で行うレイド戦で良く見てきた。


 大人数いるから自分が抜けても大丈夫かという心理が働くからか、少しでも嫌なことがあると放置したり回線を切断する者はレイド戦で良く見る。その萎え落ちを行うのはどの役割にもいるが、比率で言うとヒーラーが最も多い。


 こんなゴミ共いくら支援しても無駄だわと言い散らして萎え落ちしたり、他にヒーラーがいて蘇生待ち出来るにも関わらず自分が死んだ途端にキレて回線を切断したりと、そういった者たちは確かに存在した。そして努も中級者の頃に何度かしたことがあるので、気持ちはわかる。何度も何度もヘイト稼ぎすらしないタンクを蘇生したり何も考えていないアタッカーを見るだけで大分萎えるし、投げ出したくなる気持ちもわかる。


 だが、結局のところそれは逃げだ。他人をクソだと決めつけて愚痴を零して終わるよりも、自分の悪かったところを洗い出して直していった方が実力の向上に繋がる。それに努は何度かレイド戦をした際、萎え落ちや放置が多数いる中で立て直した経験があった。


 そして淡々と最適解を繰り返して状況が好転してきた時、放置していた者たちの中には少しずつ動き始めることがある。その瞬間の優越感たるや凄まじいものがあり、勝利後のチャットでは人生一番のドヤ顔でキーボードをタターンと叩くのが死ぬほど楽しかった。そして上級者と言えるようになってきた頃には、地雷や放置するプレイヤーも大好物になった。



(絶対、立て直す)



 そんな経験もあったおかげか努はディニエルの自殺にも萎えることはなく、むしろすぐに立て直すことを頭で考えながらダリルを蘇生していた。


 今のところダリルよりもハンナの方が活躍出来ているし、この選択には努も少しだけ迷いがあった。ただ今は五十パーセントの百二十点より、百パーセントの六十点の方が欲しい。それにハンナはある程度自由な環境でないと力を発揮出来ないと努は見ているため、この状況ではあっけなくやられる可能性も否定出来なかった。


 それに加えてダリルは元々ヘイトを多く稼いでいたので、死んだことによって大きく減ったとはいえまだ溜まってはいる。とはいえ蘇生と回復をした努のヘイトを越えるほどではなかったので、成れの果ては努を見つめて動き出した。



「……はっ!」



 そして蘇生されたダリルは自分の身体がいきなり動かなくなって意識を失ったことを思い出し、辺りを見回して状況を確認した。


 努と自分以外、誰もいない。そのことにダリルは驚いたが、すぐに落ちていた自分の重鎧を装備し始める。



「ダリル、装備したらポーションどっちも飲んでからコンバットクライでヘイト稼げ! 多分すぐに取れる!」

「は、はい!」



 努がフライで空に飛んで成れの果ての突進を避けながら指示をすると、ダリルは重鎧を装備しながら答えた。重い鎧装備の着脱は慣れていないとかなり時間がかかるが、彼は重騎士の補正もあるため服を着るような速さで装備することが出来る。そのためすぐに装備を整えて両方のポーションを一気飲みしてからコンバットクライを放った。


 努はフライで飛びながら視線を合わせないよう、成れの果ての顔から下を見て立ち回っている。努はフライの技術をゼノから学び、ハンナの動きを真似するようになってからは空中機動が相当上手くなっていた。



「はやっ!」



 とはいえその動きも技術も、単純に比べればハンナの完全な下位互換だ。それに努がいきなり彼女のように成れの果ての攻撃を華麗に避けきることは出来るわけもない。努は早くも蓄積させていた右半身のバリアを成れの果ての爪によって切り裂かれた。それに目を合わせない立ち回りも初めから出来るわけもなく、二十秒ほどは目が合ってしまい石化が進行していた。



「コンバットクライ!」



 ただ今回はダリルに元から蓄積していたヘイトもあり、一人蘇生した程度ならすぐに成れの果てのターゲットを奪うことが出来た。数十秒狙われただけで既に蓄積させていた半分のバリアを失った努は、もはや笑うしかないといった顔をした後にマジックバッグを漁りながらダリルに声をかける。



「悪いけど時間がない。返事はしなくていいからヘイトを稼ぎながら聞いてくれ」



 魔道具職人から買い付けた数々の魔道具を地面に設置しながら、努は戦闘中のダリルに作戦の概要を話す。



「今から一分半後にリーレイアを蘇生する。それまでにダリルはタウントやコンバットでヘイトをとにかく稼いでくれ。青ポーションはガンガン飲んで構わない。それよりもリーレイア蘇生した後に僕が狙われるのを避けたい。精神力減るとしんどいだろうけど、ダリルなら絶対出来る。何とか凌いでくれ」

「タウント、スイングッ!」



 そんな努の声に応えるようにダリルは大盾で成れの果てを殴りつけ、着実にヘイトを稼いでいく。むしろ先ほどよりも集中力が高まり動きが良くなっているダリルを見た努は、全体攻撃による破損など考えずに魔道具を地面に設置する作業に戻った。



「2!」



 そして案の定、上空から雨のように降り注ぐ光の全体攻撃で地面に設置していた大半の魔道具は壊されてしまった。しかし設置した分の二割ほどは残っていたので、そこに魔石をセットして起動準備を完了させる。



(良いお守りだな)



 その際に森の薬屋で貰った灰色のポーションを少し飲んでみたところ、石化していたお腹周りはたちどころに治っていった。飲みづらさはあるがメディックよりも治りが早い灰色ポーションの効能を確認した努は、これは使えると思いながら最低限のヒールでダリルを援護した。



「レイズ」



 そして一分半きっかりに努はリーレイアを蘇生した。白の細剣を抱えながら生き返ったリーレイアの前に立っていた努は、こちらに向かってこない成れの果てを見てホッとしたような顔をすると彼女に振り返った。



「今すぐウンディーネと契約させてくれ」

「……契約コントラクト――ウンディーネ」



 その声だけを聞けば特に何も感じなかったが、普段と何処か違う雰囲気を僅かに感じ取ったリーレイアは小言も言わずに精霊契約を行った。水が立ち巻いた後にスライムのような形をしたウンディーネが姿を現し、再び努の右ポケットに収まる。



「あと一分後にハンナ、その後にディニエルも蘇生する。そうなると成れの果てには僕が狙われることになるから、その間リーレイアにPTリーダーを任せる。僕のマジックバッグを預けるから、ポーションを使って全体のサポート。それからウンディーネを動かすから精神力を多めに確保しておいてくれ。飴ポーションも使っていい」



 そう言って普段は使わない貴重品である青の飴ポーションを口に入れて予備のマジックバッグにポーションをいくつか放り込んでいると、リーレイアは頭の中で計算するような顔をしながら問いかけてきた。



「……それで貴方は、生き残れるのですか?」

「ヒーラーが生き残れなきゃ、石化が治せないから全滅は確実だ。だけど全員揃ってなきゃ火力不足で突破も無理。確かに僕が狙われて生き残れる可能性は低いけど、やるしかない。悪いけど出来るだけサポートしてくれ。短いけど各自に指示を出しておく。ダリルはとにかく青ポーション飲みながらヘイトを稼ぐこと。ハンナは魔流の拳で成れの果てに隙を作ること。それでよろしく」

「わかりました」



 ディニエルの名前が出なかったことをリーレイアは少し不思議に思ったが、彼女には任せるのだろうと考えてすぐに努のマジックバッグを受け取り自分の装備を着込み始めた。そんな彼女から離れて努は全体攻撃の中を運よく生き残った魔道具に対応した魔石をセットして回る。


 この魔道具は暴食竜のスタンピード後から開発されたもので、魔石を使うことにより疑似的にバリアを再現出来るというものだ。とはいえそれは建前で実質は障壁魔法のようなものだが、そういうことにしてある。


 障壁魔法への不信は魔道具職人たちに革新をもたらしてこの魔道具もどんどんと改良されていき、今では小型化の試作品も出来たので投資していた努はそれをいくつか貰っていた。他にもモンスターを足止め出来そうな魔道具を起動させ、三十秒が経ったので蘇生可能時間の三分を過ぎる前にハンナの蘇生準備に入る。



「さて、どうにかしないとな……」



 ハンナを蘇生した時点で間違いなく成れの果ては自分を狙うし、ディニエルも蘇生すれば狙われる時間は増える。正直なところディニエルまで蘇生する必要はない。そもそも生き返らせても動かない可能性もあるからだ。だが、四人生き返らせて立て直さなければ自分が納得出来ない。ヒーラーである自分のプライドを賭け、努は完全に立て直すことを決心していた。


 しかし先ほど数十秒狙われただけで既にバリアの半分は削がれ、ヘイトをこれ以上稼ぐわけにいかないので張り直すことも出来ない。ダリルがいくら頑張ったとしてもヘイトを取り返すのに五分以上はかかるだろう。恐らく努が普通に立ち回れば、ディニエルのように三等分されるのは一分とかからない。


 もはや死が確定しているような、絶望的な状況。努の脳裏には百階層で溶かし殺された記憶がよぎるが、意外と恐怖はそこまでない。ディニエルへの仕返しを考えているからだろうか。口の中で飴を転がしている音が、妙に大きく聞こえる。



(普通に立ち回ったら、五分も絶対に持たない。危ない橋を渡る必要があるな。……後のことよりも、今を乗り越える方が大事か。一人で乗り切る)



 努が集中するように深呼吸をしながら立ち回りの方向性を決めて目を開けると、自己主張してくるようにウンディーネが右ポケットから出てきて地面にぼちゃりと落ちた。そんなウンディーネを努は拾い上げると、バリアで守られていない右肩に乗せた。



「ウンディーネには前も助けられたし、期待してるよ」

「――!」



 王都でのスタンピードのことを思い出して努は懐かしげに笑顔を浮かべながら言うと、ウンディーネは瞬時に人型となって右から抱き着いてきた。そんなウンディーネに努は呆気に取られた後、責めるような目で抱き着いてくる彼女を見下ろした。



「何で大きくなってるんだよ。小さい状態で右側を守ってくれ。遊んでる時間はないぞ」



 肩に顔をすりすりしてくるウンディーネの頭をちゃぽちゃぽ叩くと、彼女は渋々といった顔をして球形のスライム状に戻った。精霊の仕様もよくわからないなと努は苦笑いした後、努は思考を切り替えて細い目を開く。



「レイズ」



 そして努は白い杖を差し向けて場所を指定しハンナを蘇生させた。強烈な光が一筋空に打ち上がってハンナが装備のある場所へ生き返る。



「イヤアアァァァアアァァ!?」



 ハンナを蘇生した途端に、成れの果てのターゲットは努に跳ねた。ダリルを向いていた顔が百八十度曲がって努へと向き、体と逆向きのまま骨組みだけの翼を広げる。その途端に努は自身にヘイストをかけてその場から飛びあがると、まずは突進を避けた。



「きっつ……!」



 思わずブレーキをかけたくなるような速度で飛びながら、追撃で振られた爪の範囲から何とか逃れる。バリアで保険をかけているとはいえ、それほどの速度で飛ぶのは未だに恐怖心が煽られる。その速度のまま成れの果てに近づいた努は、振り子のようにゆらゆらと揺れながら体の近くで滞空し始めた。


 ハンナが強靭な翼を持ち機動力と攻撃力を兼ね備えているはやぶさだとすれば、努は風に吹かれるだけで飛行困難に陥る蚊のようなものだ。そもそも生物としての力も、ジョブによるステータス値も明確に違う。そのためいくらハンナの真似をしようともただの下位互換にすぎない。



「4!」



 ただスペックが貧弱だとしても、蚊には蚊の戦い方がある。吸血もしようとせずにただ身体の周りを漂う鬱陶しい蚊のような動きで、努は成れの果ての攻撃を避けていた。速度はそこまで出せないものの、そのぬるぬるとした動きは容易に捉えることは出来ない。


 それに成れの果ての行動も『ライブダンジョン!』での経験と、神台での観戦と実戦での観察でほとんど把握している。全体攻撃を避けるのだけは一番上手く、先ほどバリアを削られた際に成れの果ての攻撃速度についても体感でわかったので、ハンナの真似をせず敢えてずっと近づいてうざったい動きを繰り返していた。



「タウントスイングッ!」



 それに成れの果てをその場に留めておくことで、ダリルもヘイトを稼ぐスキルを容易に当てることも出来る。蘇生されたハンナもポーションを飲まされた後に装備を着て戦線に復帰し、リーレイアはスキルの使い過ぎで顔色が悪くなってきたダリルに青ポーションを手渡した。


 だが、蚊が生き残れる時間は刻一刻となくなってきていた。そのふわふわと捉えづらい空中機動も、慣れられてしまえばじっくりと待たれた後に叩かれる。成れの果てが大振りの攻撃をしなくなったのを見てそう感じた努は、一度地へと降りた。



「アアァァアァァァ!!」

「3! ヘイスト!」



 すると努は全体攻撃の種類を知らせながら、黒点のない方へ全力で走りだした。とはいえ努のAGIはCなので、人間の域は出ない。走るヒーラーであるロレーナの動きを参考に走っては見たものの、彼女と比べると正にうさぎとかめのようなものだ。


 だが毎朝ガルムやダリルと走っていただけに、体力は結構ついている。そのため命からがらといった様子ではあるが、数十秒は稼ぐことは出来た。だが追いつかれてしまえばそれまでで、すぐに背後から爪で切り裂かれそうになる。


 しかし肩にいるウンディーネが粘体を横に伸ばして地面に引っ付け、努を引っ張るように方向転換させて移動させた。成れの果てが誰もいない地面を抉る。



「レイズ!」



 ウンディーネに引っ張られて斬撃を避けながら努は杖を構え、ディニエルを所定の位置に蘇生させる。そして体勢を前のめりにさせながらも何とかバランスを整えつつ走り、地上に設置していた魔道具のスイッチを入れる。



「ギッ!?」



 すると共鳴するように他の魔道具も起動し、努と成れの果ての間に透明の障壁が形成された。それに身体が引っかかった成れの果ては驚いた声を上げたが、その障壁は容易に破られる。マジックバッグに何とか入るまで小型化した魔道具の代償として、その強度は弱めのバリアくらいしか出力が出ない。まだ実用性はないが、それでも数秒稼げただけでも儲けものである。



「キィィィィ!!」



 そして尚も地上を走る努にも成れの果ては一瞬で追いつき、また手を振り上げる。その際にまたウンディーネが粘体を右方向に伸ばしたが、成れの果てはその伸びた粘体を狙って爪を振り下ろした。ゴムのように伸びていたウンディーネの粘体が切断される。



「うおあぁぁぁぁ!?」



 既に引っ張られ始めていた努はその慣性のまま右へ吹き飛ばされて悲鳴を上げ、数度地面に身体を引きずられた後にフライで飛び上がる。しかしその先にあった成れの果ての爪は腹部を捉えた。そのまま上に弾き飛ばされ、石化の進んでいた腹部から何かが砕ける音が響く。


 この攻撃はウンディーネが咄嗟に庇ったことにより、辛うじて致命傷になることはなかった。しかしその攻撃でウンディーネは消滅してしまい、成れの果ての攻撃もそれだけで終わらない。自分の周りを飛び交っていた蚊をようやく殺せると喜んでいるような勢いで、鋭い爪が努の胴体を貫かんと迫る。努に避ける術はない。



「師匠ぉぉぉ!!」



 その瞬間にハンナが炎の魔石を砕いて右手を真っ赤に滾らせ、激昂しながら成れの果ての爪を魔流の拳で殴りつけて逸らす。それと青の飴ポーションを舐めているリーレイアもシルフの風でハンナを援護したことにより、何とか努は命拾いした。



(もう、凌ぐのは無理だな……)



 ただ命拾いはしたものの、先ほどの一撃は努の身を大いに削った。からからと服の隙間からは少なくない石が落ち、気力を削がれたように身体も動かない。幸いにも石化のおかげか痛みがないが、恐らく腹が抉れている。まだ戦意だけは残っているがもう先ほどのように動けるような体力はない。もはや顔を動かすのも億劫で、成れの果てと目を合わせていることによって石化も進み努の首が薄白く浸食されていく。



「ヤアアァァァアァァ!!」



 ダリルは一生懸命ヘイトを取っているが、そんな彼を気にせずに成れの果ては自分に狙いを付けてくる。努は震える手を何とか動かして予備のマジックバッグに手を入れてポーション瓶を持つと、身体を奮い立たせて成れの果てに突っ込んだ。



「こえぇぇぇ!!」



 思わず恐怖の言葉を漏らしながらも、努はまだ残っていた左半身のバリアを利用して成れの果てへと自分から近づいた。鍔競り合いをしているような音と共に努を守っていたバリアは次々と割れるが、爪の斬撃を凌いで成れの果ての眼前へと近づいた。


 その無茶な行動にはPTメンバーたちも驚いていた。だが努の行動理由を察したリーレイアとディニエルは何処か諦めた顔をした。ハンナは大火傷を負った右手をポーションで治しながら焦った顔で向かおうとしていたが、間に合わない。ダリルは今もタウントスイングやコンバットクライを必死に使ってヘイトを稼いでいるが、あと二分以上はターゲットを取れないだろう。



「うおおぉぉぉ!!」



 無謀にも成れの果ての眼前に出た努は、恐怖を打ち消すように叫んだ。だが成れの果ては目の前で滞空している努の胴体を虫でも捕まえるように掴むと、観察するように自分の眼前へと持ってきた。



「キヒャヒャヒャヒャァ!!」



 成れの果てはあっさりと捕まえられた努を嘲笑うような声を上げると、先ほど三人を一瞬にして石化させて死亡させた際に見えた白い光がその手から漏れ出す。



「し、師匠―――!!」



 ハンナはまだ治っていない右手を捨てて左手に魔石を持って接近していたが、距離的にもう間に合わない。そして彼女の悲痛な叫びが響く中、その手を中心に白の波動が発生して努の姿はその光で見えなくなった。

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