第8話 #マキ
1年の2学期に、学校で初めてクラスメイトの男の子に告白された。
でも私にはハル君が居るし、当然その場でお断りした。
だけど、ハル君以外の男の子から告白されたことで、「私でも男子からはそういう目で見られるんだ」と自覚し始め、異性からの視線を気にするようになった。
少しだけメイクして学校に行くようになり、コスメやおしゃれを気にするようになって、会話するときとかもニコニコ愛想よくする様に気を付けた。
学校では2年になってからもそんな感じで、1年の時は女の子とばかりで固まってスマホの連絡先も女の子ばかりだったけど、2年のクラスでは男の子とも連絡先を交換したし、学校や放課後なんかも男女混ざったグループで一緒に過ごす時間が増えた。
そんな風に過ごしていたお陰か、2年になってからも何人かの男の子に告白された。
もちろん全てお断りしたけど、私はそのことに優越感を感じるようになっていた。
今まで異性に相手にされていないと思ってたのに、モテ始めたことが素直に嬉しかった。
でも、やっぱりハル君のことは大好きだったし、最初は他の男の子たちとはクラスメイトとしてで特別仲良くするつもりは無かった。
ステータスみたいな感じ?
スマホを持つこと。カレシが居ること。セックスを経験済なこと。
そして、複数の男子に好意を寄せられチヤホヤされること。
多分、以前の不運続きの反動もあったと思う。
絶好調な高校生活に、益々調子に乗るようになっていた。
夏休みが近づくと、友達と色々な計画を立て始めた。
水着買いに行こう、海に行こう、カラオケに飲み会、etc。
そんな話をみんなでしていると、クラスの男子の須藤君という子が「飲み会やるなら俺んち夜も親居ないしいいよ」と言ってくれた。 須藤君のお父さんは単身赴任してて、お母さんは週末になるとお父さんの単身赴任先に行ってるらしく、毎週金曜日の昼から日曜日の夜までは家に誰も居ないらしい。
その提案にみんな「おー!じゃ須藤んちで決定!」とすぐに決まった。
早速、1学期最後の終業式の日に一度帰って着替えてから、須藤君の家に集まって飲み会をすることになった。
その日は私もバイトが無かったので参加した。
メンバーは、須藤君を入れた男子が5人、女子が私を入れて4人。
学校でも良くお喋りするメンバーだし、学校帰りにカラオケやファミレスなんかも何度も行ったことのあるメンバーがほとんどだったから、私は最初からリラックスしてて、飲み会を楽しみにしていた。
一度みんなで須藤君の家に集合してから近所のコンビニへ買い出しに行くことになった。
アルコールは女の子だと年齢がバレやすくて売ってもらえない可能性があるからと、男の子の内3人が買い出しに行った。
残ったメンバーで待っている間お喋りをしていると、私のカレシの話になった。
「マキちゃんのカレシって段高(段田高校)なんでしょ?」
「うん、そうだよ」
「うそ!マジで!? 段高ってなんかガリ勉ばっかのイメージ」
「んじゃマキちゃんのカレシも勉強ばっかしてんだ」
「明日から夏休みだってのに、今も勉強してんじゃね?」
「うっわ、つまんなさそー」
大好きなハル君のことを知りもしないのに馬鹿にされて内心ムカついたけど、それを態度や口に出すことが出来ず「へへへ」と愛想笑いで誤魔化した。
そんなことがありつつも、飲み会自体は楽しく過ごせた。
アルコールを飲むのは初めてだったから缶酎ハイを1本だけ飲んでみたら、顔が熱くなって気分も良くなって来て、みんなでテンション上げて馬鹿みたいに騒ぐのが楽しかった。
夏休みの間も毎週集まって飲み会をやろうってみんなで約束して、この日は夜の11時に解散した。
酔ったまま帰るとママに怒られると思って、家の近所の公園のベンチで一人で休憩して酔いを醒ましてから帰ると、ハル君ちのお店の前を通った時、ハル君の部屋の電気が既に消えてたから、もう寝ちゃったんだと思って、この日は何もメッセージを送らずにシャワーを浴びたら直ぐに寝た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます