25 5月13日(金) 僕は女性と思われてる?

 今日、こんなことがあった。


 一緒に仕事をしている女性と話しているときだ。その女性が僕と話しながら、自分の靴下に手をやって、靴下を直したのだ。何気ない所作だった。


 僕は何だか不思議な気がした。そう言えば、眼の前で女性が自分の靴下をそうやって直すのを、僕はいままで見たことがなかった。そこで、僕は家に帰って妻にそのことを話したのだ。珍しいものを見たってね・・。


 すると、妻は笑って僕にこう言ったのだ。


 「それはね、その女性があなたを男性として見てくれてないのよ」


 思いもかけない妻の言葉に僕は驚いた。


 「えっ、どういうこと?」


 「女性が男性の前で自分の靴下を直したりすることは絶対にないのよ。つまりね、あなたがその女性に男性として意識されていないということなのよ。・・ひょっとしたら、あなた、その女性に男性ではなくて女性として見られているんじゃないの?」


 そして、妻は大きく笑ったのだ。


 妻の言葉に僕は少しショックを受けた。


 女性から男性としてはなく、同性の女性として見られている??? 


 そんなことは今まで考えたことがなかった。そこで、そう言えば・・と思い出したことがあったのだ。


 だいぶ前だが、そのとき、僕は当時勤めていた会社の事務所で仕事をしていた。机が4つあるだけの小さな事務所だった。事務所にはたまたま僕以外は誰もいなかった。すると、同僚の女性が事務所の中に入ってきたのだ。彼女は僕をチラリと見たが、何も言わなかった。そして、自分の机の引き出しを開けて、コンパクトと口紅を取り出した。それから、彼女は自分の机の前に立ったままで、コンパクトを見ながら口紅を唇に塗ったのだ。僕の眼の前だった。それが終わると、コンパクトと口紅を自分の机の引き出しに仕舞って、何事もなかったかのようにそのまま黙って事務所を出て行った。


 僕はそのことを思い出した。そう言えば、あの口紅も・・おそらく、女性は男性の前で口紅を塗り直したりしないのだろうなあ。見ていると、女性はみんな、わざわざ女子トイレまで行って口紅を塗り直しているもんなあ・・・。


 あの事務所にはちゃんと女子トイレがあったのだ。女子トイレには鏡もついている。それでも僕の同僚の女性は女子トイレには行かずに、事務所の僕の眼の前で、立ったまま口紅を直したのだ。


 あのとき、眼の前で同僚の女性が口紅を塗り直すのを、僕は奇妙な光景のように思って見ていたのだが・・・そうか、別に奇妙ではなかったんだ。あのとき、彼女は僕を男性ではなく女性として見ていたのだ。事務所には、彼女と、彼女と同性の女性である僕しかいない。それで、女性の僕の眼の前で平気で口紅を塗り直したということだったのだ。


 やっぱり、僕は女性から女性として見られていたのか・・


 以前、僕はこのカクヨムに拙作『白血病になっちゃいました』というエッセイのような闘病記のような、よく分からないものをアップした。(『傑作』じゃあないよ。『拙作』だからね・・)


 その中で、僕は女性のウイッグをつけたり、巻きスカートをはいた実体験を書いた。ふざけてそんな格好をしたのではなく、やむにやまれぬ事情があったのだ。しかし、僕は女性の格好をするのを断固拒否したりはしなかった。そして、僕は女性的な性格なのかもしれないという率直な想いを書いた。


 そうか、僕自身が僕を女性的と思っていただけでなく・・・僕の周りの女性たちも僕を女性だと(ではなく、だと)思っていたのか・・・


 僕は、女性だから・・男性だから・・といったことを言う気はない。女性だからどうこうしなさい・・男性だからどうこうしなさい・・というのは、もう古い考えだと思っているし、今はそんなことにこだわる時代じゃないとも思っている。


 だから、僕のように、女性から女性だと思われるような男性がいたっていいじゃないかと思うのだ。


 えっ、お前の言うことは分かったが、この話のどこが「よかったこと」なのかって?


 だから、今日のよかったことは、僕が女性から女性と思われてるって新しい発見があったってこと。


 まあ、今さら、自分を変えるわけにもいかないので・・僕はありのままで、これからもやっていこうと思っているよ。


 だから、僕は女性から女性として見られていることは別に嫌ではないんだ。


 しかし、・・と、ここで急に口調が変わるのですが・・本音を書きます。はい。


 確かに僕は、女性から女性と見られても別にそれはそれでいいんですが・・それはそれで特に問題はないのですが・・


 しかし、そうは言っても、女性から女性として見られているということは、女性は僕に男性としての魅力を全く感じないんだということだと思うのです。

 

 まあ、僕自身も自分に魅力があるとはまったく思っていませんが・・しかし、僕は生物学的にはメスではなくオスなのです。従って、女性にオスとしての魅力がないと言われると・・やっぱり少しは考えてしまいます。


 そこで、女性の読者の皆様にお願いがあるのです。教えてくださいませんか?


 今日書いたように男性の前で女性が靴下を直したり、口紅を塗り直したりするのは、やっぱりその女性がその男性を男性として見ていないということなのでしょうか? あるいは、その男性を女性として見ているということなのでしょうか?


 ぜひ、皆様のご意見を教えてください。


 「その通りよ。あなたは男性ではなく女性として見られているのよ」といった、僕にとって否定的なご意見ももちろん大歓迎です。僕は自分に心地よい言葉を聞きたいのではなくて、真実を聞きたいのです。だから、率直な本音を聞かせてくださいませんか?

  

 もちろん、男性の方のご意見も大歓迎ですよ~。


*******

 最後に拙作『白血病になっちゃいました』のURLです。

 https://kakuyomu.jp/works/16816700429102468154


 女性のウイッグをつけたり、巻きスカートをはいた実体験や、女性的な性格なのかもしれないと思った話は以下です。

 第27話 女性用ウィッグに挑戦

 第33-35話 輸血と巻きスカート

 第37-39話 『予知』って超能力?


 途中からでも読める話なので、よかったら、そこだけを読んでみてください。


 最後は『白血病になっちゃいました』の宣伝になっちゃいました。。。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る