僕たちは恋人を寝取られたくない!~次に寝取られたら女の子になっちゃう呪いにかかった彼氏と、そんな彼氏が実は美女を引き付ける異能持ちだと知って頭を抱える彼女の物語~
第12話:ボスも強くなるRPGみたいな?
第12話:ボスも強くなるRPGみたいな?
食堂での仲睦まじい様子をみんなに見られていたのか。
それとも曜子が周りに言いふらしたのか。
その日の夕方には渚と結衣が付き合い始めたことは、周知の事実となっていた。
結衣としては別に構わない。
渚を狙っていた
ただ、予想に反して彼女が何も言わず「へぇ、神戸さんっておしっこをかけたり、かけられたりするのが趣味なんだ?」と軽蔑したような目つきで見てきたのには思わず抗議したくなった。
んなわけあるかっ!
念のためにホテルで催した時に「先輩、見ます? 私がするところ」と誘ってみたら、渚は大慌てで両手を振って拒否してみせた。
内心、ホッとした。
とは言え、彼女がどう思うかなんてのは正直どうでもよかった。
それよりも午後からは渚と同じ講義を受けたりと一緒に行動することが多かった結衣は、とある懸念に困惑していた。
「あ、結衣ちゃん、お疲れー。渚君との恋人初日はどうやったカナー?」
その日の夜。
結衣が書道研究室を訪れると、予め取り付けた約束通り、曜子が待っていてくれた。
その目がニマニマと意味ありげなメッセージを送ってくる。
「……比企先輩、少しお伺いしたいことがあります」
「ええでぇ。でも、その前にその比企先輩ってのはやめてえやぁ。昔みたいに曜子先輩って呼んでぇ」
「比企先輩、
曜子の要望を全く無視して結衣は一気にまくし立てる。
「女の子に異様にモテるのは別にいいです。可愛らしい顔に加えて、底なしにお人好しな性格です。そりゃあモテるでしょうよ。だけど何故!?」
相変わらずニマニマしている曜子の態度も相まって、結衣はさらに声量を上げる。
「どうしてやたらと可愛い人だったり、美人だったり、めちゃくちゃスタイルがいい人ばかりが渚先輩の周りに次々と現れるんですかっ!?」
例えば元ライバルの子ぐらいなら、結衣はまったく気にはしない。
だが、お昼に会った小泉を筆頭に、苦戦を強いられそうな相手ばかりとなれば話は別だ。
例えば渚と一緒に受けた講義では、エロいフェロモンを撒き散らす女助教授が現れた。
そして先週までお爺ちゃん先生だったのにと戸惑う結衣を他所に、事あるごとに渚へ意味ありげな視線を送ってくる。
これに対し結衣も目に力を入れてなんとか撃退するも、講義が終わって渚と一緒に廊下を歩いていたら、今度は曲がり角でおっぱいも腰回りも日本人には到底太刀打ちできないスタイルのアメリカ人留学生が渚にぶつかってくる。
体格的にはどう見ても吹っ飛ばされるのは渚の方。
ところが何故かそのアメリカ人の方がどしんと後ろに転び、まぁ見事なまでのパンチラ。
てか、穿いているパンツの柄が星条旗ってどうなのこれ。
その後もとても年上には見えない幼女体型のロリ先輩とか。
癒し系のおっとりお姉さんとか。
やたらと馴れ馴れしいウザ絡みの女の子(これまたおっぱいがSUGOKUDEKAI!)とかが出てくるわ出てくるわ。
ついには渚と少し落ち着いて話がしたいなと入った空き教室で、何故かすっぽんぽんで着替えている女の子と遭遇しては、さすがの結衣も頭を抱えてその場にしゃがみ込んでしまった結衣であった。
「ひぇぇ、今回はヤバそうやなぁと思うとったけど、想像以上にレベルアップしとるやん」
「レベルアップ? どういうことですか?」
「あんなぁ、渚君ってカノジョが出来るとその子のライバルになる女の子たちを呼び寄せてしまう不思議な力があるねん」
「……は?」
「まぁ幾らレベルアップしても、敵もそのレベルに相応しい強さになるRPGみたいな?」
具体的に説明されたものの、ゲームを全くやらない結衣にはその喩えが全く分からない。
だけど最初は呆然としたものの、落ち着いてくると言わんとしていることはなんとなく分かった。
「え、ちょっと待ってください。てことはなんですか、私と付き合い始めたから、あんなのを渚先輩は引き寄せてるってことですか!?」
ウソでしょうと珍しく結衣は顔を引き攣らせた。
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