閑話 神様のおつかい中編
まーたこっちの更新忘れてるよ。ほんとすみません
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メアリーさんと談笑していたらフルールの父エイギルが狩りから帰ってきた。そこで居間にいた私たちに「そんで、お嬢さんがフルールの同僚と…そうか。あの子は元気にしているか?」と私に重苦しく聞いてきた。
「ええ、あの子は元気ですよ…ちょっと元気すぎるぐらいね。」
「ハハ、あの子らしいな。メアリーそれがフルールが送ってきた手紙か?すまないが読んでもらえるか」
「ええ、解ったわ。」
そういえばメアリーさんが文字を読めることに対して何も考えていなかったな。フルールが文字が読めるから近しい人に文字を読める人がいる筈だと少し考えればわかる筈なのにな。その辺は分体の思考能力に引っ張られているんだな。
この世界の識字率は約4%。大体50人に1人の計算だ。まあ、中世と近代の間ぐらいの文明と考えれば妥当な範囲だろう。その約4%に入っているメアリーさんは少し珍しい存在というわけだ。
ということはメアリーさんは元々それなりのとこで生まれた可能性が高い?もしかするとフルールの情報が親に漏れている可能性がある?情報は知る人が多いと漏れる可能性があるからきちんと精査する必要がある。
私が今後の対応を考えているうちに手紙を読み終わったらしい。その証拠にエイギルはここにはいない娘の事を思い、涙ぐんでいた。雰囲気を崩してしまうが仕方ない、聞かないと何も始まらないからね。
(作)ここで少し補足を。神様だからいちいち聞かなくても自分で調べることできるんじゃね?と思う方もいるでしょう。この場にいるカーミンはあくまで分体です。星のログにアクセスできるほど高度な権限は持っていません。本体ならアクセス出来ますが、分体は本体へ情報のやり取りが緊急時以外出来ない構造になってます。逆はいけますが。なので、情報が知りたい場合、たまたま本体がその状況を見て、伝えないと解りません。詳しい説明はこの章の最後に人物&世界観設定を公開しますのでお楽しみに。
「失礼ですが、メアリーさんはどこで文字を覚えたのでしょうか?人に教えられるともなるとかなりの教養があると伺えますが…」
メアリーは5秒ほど逡巡し、答えを出した。
「………私は今は亡き商家の出身なんですよ。そのおかげで平均的な人より少し教養があるんですよ。」
っやっべー、もしかして地雷踏んだか?
「それは…あまり聞かない方がよかったですね。すみません、不躾にズカズカと他人の家に土足で入り込んでしまって。」
「ああ、お構いなく。両親は亡くなりましたが普通に衰えを感じて店を閉じただけなので。別に不幸な過去があったってわけじゃありませんので」
いや、なんでやねーん(エセ関西弁)
「あ…ああ、そ、そうですか。ハ、ハハ」
こんなん微妙な反応しか出来んわ。
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あれからフルールの活躍(笑)について話していたが、次の任務の時間が押しているため、ここでお別れの形になった。
「こんな時間から行くなんて…外はもう暗いし1泊ぐらいしていっていいのよ」
現在時刻は19時過ぎ。もう外は暗く、この世界からしたら行動する方がおかしいような時間帯だ。
「いえ、次の仕事も押していますし、私の職業的には夜の方が得意ですし魔獣や盗賊相手に後れを取るほど弱くないので。」
「そうは言っても…見た目が…そのだな…」
「まあ…その…それはしょうがないですから…ほんと…」
最後の方は細々と消えるような声で答えた。エイギルさん完全に心折りに来てるんすか?私泣きますよ?
「んん゛ん、それでは私はここで失礼しますね。もしフルールと会えるようなら私がその旨を伝えに来ますので。」
「ええ、今回の件本当にありがとうございました。」
「ああ、感謝する。それと俺たちが陰ながら応援していることを伝えてくれると助かる。」
「わかりました。フルールにそう伝えておきますね。それではお元気d………あ、もう一つ聞きたいことがあったんでした。フルールのスキルの事、他に知っている人がいるんですか?」
危ない危ない。危うく本題を忘れるとこだったよ。
「えっと…あの子が他の人にしゃっべていたかどうかは分かりませんですが、スキルを鑑定した神父さんが隣町のカス村にいます」
「…そうでしたか。情報感謝します。それでは今度こそお元気で。」
「ええ、また会える日を楽しみにしてるわ」
私は暗い夜道に向かって走り出した。最後の情報、これは有効活用しないといけませんね。今が夜で本当に良かったと思う。この顔を見られたらどう繕ったらいいのか分からないような顔をしています。例えるならそう、口元が三日月を描くような、獰猛な笑みでしょうか?
「フフフ、アハハハハハハ!」
夜道はやっぱりいい。笑ったって誰も気づきやしない。まるで悪いことをしろなーんて星が言っているのかもしれませんね。
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