第38話 軽いジョークやリップサービスも忘れぬように

前回までのあらすじ。






時は20XX年!世界は二つの勢力に分断された!黒○徹子派か、小林○子派だ!


 黒○徹子派の指導者フルールは髪の毛から飴ちゃんを出すことによって世界を混沌へ変貌させていた。しかし、そこで立ち上がったのが小林○子派の指導者、ブランだ!


 彼女は、黒○徹子派の飴ちゃんに世界を崩壊させてしまう成分を発見し、指導者フルールを止めるべく行動をしていた!


 順調に指導者フルールの企みを阻止していったが、ブランは罠に掛かってしまい、絶対絶命な危機に陥ってしまう。


 勝利を確信したフルールはブランに止めを刺そうとしたが、味方であったはずのマルトレーゼ教司祭のカーミンに裏切られてしまう。カーミンはフルールから『指導者の器』というアイテムを奪い去り、世界をマルトレーゼ教の、マルトレーゼ教による、マルトレーゼ教のための世界を作ろうとしていた。更に飴ちゃんが世界を崩壊させてしまうのはカーミンの策略だった事を知る。


 落ちぶれてしまったフルールだが、ブランと交渉して力を借り、本当の黒幕である、カーミンに最終決戦を挑んだ。激闘の末、なんとか勝利する事が出来た二人はカーミンを尋問をして、『指導者の器』を取り戻し、カーミンは二人によって裁かれた。






このあらすじには若干の誇張と虚飾を含んでます




おいおい、このあらすじ書くのに2時間掛かったってマジ?





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 拝啓、前世の両親へ。スピーチやプレゼンにはほんのちょっとジョークやユーモアを混ぜた方がいいと聞きます。そうする事でコミュニケーションを円滑に進める事が出来すそうです。私にも上手く出来ますかね?








              敬具


              フルール・ヤマト・ジャポニカ


















 辺りは重苦しい空気に包まれていた。それもそのはず、鉄蛾団との初めての定例会議である。


一応週二で報告は聞いているが、今後の方針とかを話し合う為に集まった感じだ。


 参加メンバーは、私、お嬢、アメリア、オルカ団長、ライドン、ユージーンだ。


 団長とライドンは王都、ユージーンはアヤッシイナ侯爵領を担当している。




 「では、第一回定例会議を開始する。さて本日の議題についてだが、近況報告、今後の方針と、注意すべき動向だ。ではまず、王都班報告を頼む」


やっぱね会議はゲン○ウポーズしないと雰囲気出ないでしょ。




 「はい、王都班です。表面上は特に問題ありません。しかし、アヤッシイナ家の屋敷で働いている者が少しよそよそしい感じがありました。何か隠していると思いますので、かなり踏み込んでみようと思います」




 ふむ、想定通りだな。それにしても隠密の訓練をあまり受けてない者に見抜かれるとは、相手の程度の低さが伺えますね。




 「相分かった、そのままで頼む。ただし、くれぐれも自分の身を最優先にする事ね。情報より構成員の命の方が長期的に組織に役に立つ事が多いからくれぐれも犬死にしない様に。次、侯爵領班。」




 「侯爵領班からは、特に何も掴めていません。黒い噂は聞くけど普通に暮らせますし、巧妙に隠し通せてる証だと思います。こちらも深くに潜る為に屋敷に執事、又はお抱えの兵士として潜入するつもりです。」




 「うむ、引き続き頼むぞ、結果が出ないからって焦るんじゃねぇぞ。張り込みとかは年単位でやるものだからな。決して焦るんじゃねぇぞ」




 「ところでフルール、ちょっと質問したいんだけど良いかな?」




 「ヘッ、なんでやんすか?お嬢。」




 「この重苦しい雰囲気なんなの?それに乗っかってる君達もなんなの?ねえ君達ちゃんと打ち合わせしてこの空気作ってるでしょ。」




 「あー、やっぱりバレちゃいましたね、フルール様。だから俺は反対したんっすけどね。俺たち演劇家ってわけじゃないっすからね。やっぱ偽物だとバレますよ」




 シャラァァァプ!!ライドン君!君達この美学が分かってないね!何か悪巧みする時は重苦しい雰囲気+ゲン○ウポーズと相場は決まってるもんなんだよ。




 「まあ私のちょっとしたジョークっぽい物ですねお嬢。それに言うじゃないですか『会話に1割程度ジョークやユーモアを混ぜると上手くいく』って。私は対人関係失敗しかしてこなかったから、こういうのに憧れがあるんですよ」




 「「「「………………」」」」




 「ッスー、あの、何か反応して頂けると助かるのですが…そんな特級呪物引き当てた時の反応やめて下さい。そこは笑って欲しかったですぅ」




 「まあ、そこそこやばい地雷を踏み抜いてしまいましたが…ゴホン、ご苦労様です。貴方達とは別に二週間後にフルール達冥土衆で試しに探りを入れる予定なので、次の会議は二週間後という事で。初の実戦ですが、抜からないでくださいね、フルール、アメリア、そして買い出しと情報収集に行ってるカーミン。」




 カーミンは色々役に立っている。あの容姿だから街の商人に結構可愛がられている。その時にそれとなく情報を引き出している。


…肝心なアヤッシイナ侯爵家の情報はないけど、他の貴族家はゴロゴロ出てきた。これリリーちゃんに割高で売ったりすることできないかな?


…いや、私達みたいな暗部がいる事が気づかれてしまうから悪手か。




 「それでは、各自持ち場に戻れ、解散!」






 こうして第一回定例会議が終わったのである。
















-----------------聖剣side-----------------










 全く、あのクソ女神の所為で大変な目に遭っている。私は向こうに未練はないけどだからといってこっちは過酷すぎませんかねぇ?


 何?就職するにも誰か紹介がなくちゃいけないし、紹介が無かったら学校に入って資格を取ろうと思ったのに、ほぼ裏口前提の学校しか王都にないなんて。




 折角情報や人が沢山集まる王都に来たのに詰みかけるし、やっとの思いで拾って貰った職場は悪い噂絶えない、パワハラ、セクハラ、アルハラのハラスメントのデパートだし。はあ、メイド辞めたい。




 冒険者になれば良かったなんて言う人居るかもしれないけど、私は立身出世は危険だと思っている。引き際を間違えれば国に飼い殺される末路しか待ってないし、何より戦うのが怖い。平穏で生温い世の中でしか生きてこなかった私には荷が重い。




 特にあのクソボンボン、人の事都合のいい道具としか思ってないでしょ。何回夜伽に誘われたか…私はーーーとしかヤらないよ。もしーーーから断られたら、多分一生ヤる気にならないと思う




 はぁ、ほんとにあのボンボン死んじゃえばいいのに・・・・・・・・・・。








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