第34話 今度こそは!!
拝啓、前世の両親へ。「IQ違うと話が合わない」なんて聞いた事があると思います。けど、それは根も葉もない俗説らしいですよ。IQが高い人が低い人に合わせれば話は合うそうです。
しかし、生きている時代の技術が全く違う場合はどうなんでしょうか。例えば、私達は携帯は生活に必須の物ですが、江戸時代の人から見れば使い方のよく分からない物になります。
それを異世界で経験するとは思いませんでした。
敬具
フルール・ヤマト・ジャポニカ
「お待たせしました。お迎えに上がりました。」
なんでや事変から約2時間後、復活した私はアメリアに手伝って貰い、なんとか準備を終えた。
迎えに来たのは、リリーといかにも爺やと呼びたくなるお爺さんだ。リリーが全身真っ黒なのは最早お約束だ。
「こんにちわ、リリー。それと初めまして、私はフルール・ヤマト・ジャポニカです」
「ええ、こんにちわ。この人はお城の執事長のセバスチャンです。今回は私と一緒に行動しますのでよろしくお願いしますね」
「ご紹介に預かりました、セバスチャンです。よろしくお願いします。」
おお、THE 爺やだよそれ以上でもそれ以下でもない。
「それではお父様を待たせるのはあまり良くないので、出発しましょうか。」
さあ、華麗に踊ってやるよ、ピエロはピエロらしくな。
「ニヒルに決めてるとこ悪いですけどぉ、さっさと行け(ドス声)」
「はぃ。」
助けてー、カーミンがなんか冷たいよ〜
------------------------------------------
馬車で揺られる事約30分。王都の西区の漁業区に着いた。この漁港、マルメア漁港は世界有数の漁獲量を誇る港だ。見た目ヴェネツィアの漁港……違和感がある。と思ったけど、実際のヴェネツィアは近くにキオッジャという街がありそこは漁業が有名なんだとか。正直イタリア行った事ないからネットの知識だけど。
今回着いてきたメンバーはお嬢とカーミンだ。カーミンは一応ジャポニカ帝国出身ということになっているから連れてきた。本人は行きたがらなかったけど。
服装はお嬢はいつもの冒険者スタイル。ガレー船に乗るかもしれないからこの服装なのだと。因みに事前にガストール王に伝えてあるらしい。変に律儀なんだから。
私はいつもの戦闘型ビクトリア風メイド服type01を着ている。カーミンはいつものメイド姿だ
「では、ここで陛下がお待ちです。」
久々の対面…フルール、いつも通り演じられるのかッ……ここあれだね、カ○ジのナレーター風が欲しいね。
「久しぶりだな、フルール皇女よ。息災であったか?」
「ええ、お久しぶりです。ガストール王。私は元気が取り柄ですから。」
「そうか、今回は私どもの為に時間をとってくれた事、感謝する。」
「いえいえ。私もここで本物の皇女だという事を見せないと、ただの失礼な小娘になりますから。気にしてないですよ。」
「それでは早速本題に移りましょう。私が大和を具現化させます。そして西南西の方向に進み、そこにある無人島アーロンに距離10kmで砲撃します。大和には私しか乗れないので、ガストール王達は自分達の船で着いてきてください。ここまでで質問等はありますか?」
といっても最終確認だからね。質問なんてないでしょう。
「質問なんですが、航行速度はどのぐらいでいくのでしょうか?」
オィィィ!あるんかーい。まあこの辺は説明してなかったので仕方ないか。
「おたくの航行速度でいいですよ。こっちだと16ノットぐらいが巡航速度ですから。多分おたくの最高速度だと思いますけどね。」
「…では4ノットでいいか?」
「時間があるんだったらいいですよ。別に遅すぎるわけでもないですし。なんなら鎖で引っ張っていきましょうか?」
「流石にそんなことしたらマストが折れてしまうから辞めとこう。」
------------------------------------------
質問タイムも終わってLet’s大和time.ここまで来るの割と長かったなぁ。作者がプロットあるのに色々追加してここまで長い引いたんだよ。お陰で予定丸崩れ。最悪だよっとそろそろメタはダメだな。
今回は港の10区画借りてる。いやデカすぎでしょ、と思ったけど実際には随伴として2隻も着いてくるからまあ妥当な広さだと思う。
「では、いきます。闇を祓いし巨砲よ、その主砲は如何なるものをも貫く。悠然たる姿よ、研ぎ澄まされた機能美は芸術を超える。完成されし装甲よ。如何なる砲弾をも防ぎ、我が帝国の威信を示す。燃やせ魂を、燃やせ大和魂を、さすれば道は開く。今ここに現界せよ!我が帝国の切り札よ!戦艦大和!抜錨!!」
いいでしょ。この詠唱。頑張って考えたんだぁ。全く意味のない行為だけど。演出としては最高じゃん。だから私はこの詠唱を作った。
実際に大和が出てくる時に右腕が光ってるから演出としては満点でしょ。その時のお偉いさん方の反応はと言うと。
「信じられない。こんな大きな鉄の塊が浮いてるなんて…」
「なんだ!?あの主砲の大きさは!?何を攻撃対象としたらあんなに大きくなるのか!?」
「ガブリエル伯爵家でメイドやってるって聞いたから属国みたいな扱いでいいでしょと思ったけど、行動に移さなくてよかったぁ。」
などなどドナドナ。何言ってんだ?私は。気を取り直して、この様な意見しか出てきません。つまり、最初の掴みは完璧だと言うことだ。
「ねえねえ、フルール。ヤマトってあんなにおっきかったんだね。わたししらなかったよぉ。」
やばい。お嬢が驚きのあまり幼児退行してる!!グヘヘ、お嬢ちゃん飴ちゃんいる?と言いたくなりますね。
「そりゃあ見せてなかったからですね。けどお嬢は実際の威力を見てるはずだから予想ぐらいは出来そうですが…」
「だって、ふかくかんがえてなかったんだもん」
あー、これリアルで吐血できるわ。破壊力ヤバし。
「まあ、いいです。それではさっさと行きますよ。」
無人島までは大体20kmの近さだ。そこから10km離れるってことは、港から10kmの辺りに着けばいい。だから2時間ぐらいかかるのかな?
その間割と暇だ。一人で大和にポツンといる……内部探索するか!
そこから約2時間後。目標地点に着きました。ここから事前の打ち合わせ通りに、砲撃するときは汽笛を鳴らせばいい。向こうにはそこそこいい双眼鏡を渡してあるから、よく見えるだろう。
一応砲撃の時の周辺に危害が及ばないと言っても安全の為に大和から200m離れてもらってる。もし何か伝えたい情報があったらカーミンが飛んでくると言う感じになっている
「さてと、じゃあ汽笛を鳴らしますか。」
えーっと、汽笛を鳴らすには……鳴れって念じればいいのかな?
『ブォォォォ!!!!』
お?鳴ったわ。それでは全門斉射しますか。
「目標、10km先無人島アーロン。全門斉射!!!」
『ドゴ、ドゴ、ドゴウォォォウ゛ゥゥン!!!!』
「弾着ーー、今!」
おおおおおお!!凄いね。土煙が上がってるのが肉眼でも見えるよ。やっぱり大和は最高だぜ。この威力、お偉いさん方達を威圧し過ぎたかも知れない。まあ、こんだけの威力を見せたら絶対に喧嘩売ってこないでしょう。これで我が帝国(住民一人)も安泰だぁ。
_____________________________________
♡や⭐︎、感想フォローなどお願いします。モチベに繋がります。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます