第31話 アオハルとは
青春とは、『腐敗』と『欺瞞』である。
弱者は強者に虐げられる。それは生物が誕生してからの普遍の法則だ。それは学校生活でも同じである。
陽キャは隠キャと自己を比べ、自己肯定感を高めていき、己の地位を確立する。人気のある奴ほど、その段階で多くの弱者を虐げる。
これは個人における話ではない。集団でも全く同じ事がある。
人間という物は一人では生きていけない生き物だ。それで生きていけるのは、よっぽどの変人か狂人だけであろう。
一人で生きていけない人間は『群れ』を作る。その群れの中でも力の上下関係があり、更に群れ同士でも上下関係がある。
私は自己肯定感を高める為に必要な行動は、弱者を虐げ、精神的優位に立つ事で成り立つと考えている。
この場合弱者とは、群れからあぶれた者、最初から群れに入らなかった者、また、特殊な人間等だ。
この者たちは己の地位を殆どの場合、確立していない。つまりは群れや強者からの絶好の的である。
人間は足を引っ張り、蹴落とすのが上手い生き物だ。強者の自己肯定感の為に弱者は虐げられる。陰湿ないじめ等でだ。
しかも教師は見て見ぬ振りをしたり、介入する場合もある。
強者の為に弱者が一方的に虐げられる現状が黙認されている状態。これこそが私は腐敗していると思う原因だ。
次に欺瞞についてだが、これは単純だ。己の保身の為に嘘をつく。群れの中からあぶれない様に、周りと意見を合わせる為に、常に自己と周りを欺き続ける。
故に出来上がるのは、誰の意見か分からないけど取り敢えず意見を合わせる状況だ。
これは印象操作する上で最も簡単な状況である。日本人は周囲の意見流され易い民族だ。故にソースが不確かな物でも、「皆言ってたから」等とすぐ流される。
これは、強者から偽りの情報が流れとしても、「この人が言っていたから」等簡単に信じてしまう人は少なからずいる。
社会的地位持っている人の発言と持っていない人の意見なんて圧倒的に地位を持っている人が信じられると考える情弱は多いだろう。
青春を謳歌せし年代は情報の取捨選択がまだ出来ない人が多い。だから断片的な噂でも信じてしまう人が多いのである。
結論
青春や青春を謳歌する者よ、砕け散れ。
片山瑞希
とか思っていた時期がありましたが、今はそう思いません。なぜなら…
ビュォォォォ!!
「キャアアア!」
風さんまじGJ。やっぱJKのパンチラは最高だぜ!!!
拝啓、前世の両親へ。私は何十年振りに学生生活を楽しむことになりました。ぶっちゃけ凄く不安です。けど、今世には信頼できる仲間が居るから前世程には酷くならないと思います。
前世でも私が受けていたいじめを無くす為に色々と行動してくれてありがとうございました。
貴方達の娘は今日、新たな一歩を踏み出します。
敬具
フルール・ヤマト・ジャポニカ
学園のクラスは入試の成績順に5つに分けられている。上からA、B、C、D、Eクラスだ。勿論設備を壊した私達はAクラスだ。Aクラスだけは特別で15人までしか入れない。これは一種のブランド化してるというものだろう。因みにB、C、Dは30人でEは45人だ。
今年度の首席合格者は一応リリー王女になっている。次席にお嬢、3番目に私だ。まああれだね、王女が入学するのに1位じゃないと体裁が悪いから1位になったって感じかな。少なくともリリー王女は実技で満点取れる程の腕じゃないって聞くし。
学園指定の制服を着て、私達が在籍するAクラスにたどり着いた。やっべぇ、オラ、不安でドキドキすっぞ。落ち着け、まずは深呼吸。あートラウマは簡単に消えない物なんですね。大丈夫、今世は同性愛に理解がある世界だから問題ない…はず。
「あら?フルール緊張してんの?大丈夫よ、何かあれば私を頼りなさい」
ああ女神がいる。割とガチでお嬢、ポン説出てたけど、これはまごう事なき女神だ。どっかのなんちゃって女神とは大違いだわ。ブラン女神様万歳!!
『後で覚えておくがいいですぅ』
ええい、鬱陶しい幼女だな。いちいち念話で文句言ってくんな。
「分かりました。骨の髄まで頼りにしてます。」
「それちょっと言葉としておかしい気が……」
細かいことは気にしない主義なので。
さあ自由への一歩を踏み出そう。Open the door !!
ほうほう、このクラスの第一印象は『なんか特殊な人多そう』だ。私が勢いよくdoorを開けたのに誰一人としてこっちを見ない。他人に興味ないって事かな?それはこちらとしてはありがたい。関わってくる人間が少ないほど、受けるダメージは受けないからね。
「あら?私達が最後だってみぃちゃん。もうみんな席に着いているわよ。早く座りましょう。」
「リリー様、外でその呼び名は少し恥ずかしいのですが…」
ムムッ。此奴只者では無いな。リリー王女の護衛といったところか、正直凄まじいナニカを感じた気がする。
「おはようございます、リリー王女。それと初めましてかな?みぃちゃんさん?私はフルール・ヤマト・ジャポニカです。」
「ご丁寧にどうも。私はリリー王女の護衛である『ミーシャ・フォン・ビスマルク』です。お願いなのですが、私のことは『ミーシャ』とお呼びください。」
いや、そこまで強調せんでも。というよりビスマルク?鉄血宰相と呼ばれ、のちに戦艦の名までなったビスマルクですと!?いやはや因果な物ですな。大和とビスマルクが対面するなんて
「私はフルールで構いませんよ。それより早く席に着きましょうかあと少しで予鈴もなりますし。ところで好きな数字って何ですか?」
「え?数字?んー、380でしょうか?」
やっぱりだー。うん決定。コイツァビスマルクだ!!
「ありがとうございます」
この時の平穏な日常を私は未来永劫忘れないだろう。まさかこんなにキャラが強い人が出てくるとは。
「はぁ〜い、元気にしてるかしら?my sweeeeet boy達?」
あゝ、私の日常が音を立てて崩れていく。
日常は いとも容易く 崩れゆく
フルール心の俳句
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