第15話 消える

父親が昨年亡くなったのですが、この大型連休、母のいる実家には帰りませんでした。


母は別に気にせんでいいと言っていました。


帰れない理由は、母にも言ったのですが、人が多いから。


混雑の中、心の疲弊が見て取れたので、帰るのはよしました。


明日からまた仕事か。

土曜までフルで働くよりかは週三日なので、まだ楽な方でしょう。


こうしてまた日常の中に父の死の悲しみや、いろんな苦しみも喜びも混ざって消えていくのだろうか。


死んだときとことん悲しんだわけではなかったです。

遺体を焼いたあと、頭蓋骨を砕くよう促されたのですが僕にはできなかった。


母は号泣で妹は葬儀場の控室で生前の父が嫌いだったと吐露していた。


甥と姪とはそんなに仲良くはなれなかったかもしれない。


この長期的な休みを総括しても無意味だが、好きなことを思うようにはできたと思う。


でもやっぱり、このまま独りで死んだとき、誰が見つけるのか、母が亡くなったら自分はどうなるのか。母は普通に痛まずに亡くなるのか、日常の狭間で時おり顔を覗かせる、寂しさや怖さみたいなものなどをこんなふうに書いてみたくなった。


遊びたければ思いっ切り遊びたい。

どこかへ行って美味しいものや綺麗な景色を堪能したい。


そんな普通に思いつくことができなかったような気がする。


やりたいことはやったが、達成感が得られなかった。


いつぞやのアニメみたいに連休最後の日を繰り返しても、元に戻れば結局同じか。

何とも中途半端なものを掴んでしまった。


相変わらず何者かに追いかけられている気がする。監視されてる気がする。


そんなことをする人と誰が付き合いたいと思うだろうか。

いい加減、諦めてくれ。

俺は死んでもお前たちとは付き合わない。


憂鬱な連休の締めくくりに、相変わらず取るに足らないことを書き綴った。

最後まで読む方がいたら、すみませんでした。







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