第5話 JKの教育事情
「ただいまー」
「違う」
一人暮らし開始から、さらに数日。
既に俺の生活ルーチンも確定されてきたが――
一日中卓袱台に向かっているだけだが――
「ふー、今日は朝から二つも授業受けてきたから疲れちゃった~」
「…………」
今日も今日とて、女子高生が庭から入ってくる。
このギャルJK、星沢
「えーと、今日の時間割は……愛姫、三限の数学はちゃんと出ろよ。理解できなくていいから、黒板の写真だけは撮ってこい」
「えー、めんどくさっ」
「おまえな……本当はノートを取らせたいんだよ。手で書くのが一番頭に入るんだからな」
「覚えなきゃならないことが100あるとして、スマホで写真撮って覚えるのは1だとしたら手で書いて覚えるのは3くらいだよ。大差ない、ない」
「おまえ、いらんことはよく口が回るよな……」
「ねー、いらんことばっか言う唇、ふさぎたい?」
「ああ」
ちゅ、と愛姫と唇を重ねる。
柔らかい唇の感触をちゅばちゅばと味わい――
「わっ……ふ、普通にちゅーするようになったね」
「おまえの軽口を黙らせるには効果的だろ」
実際、黙ったじゃないか。
顔が真っ赤だし、まだまだキスで照れてくれる可愛げはある。
「じゃあ、話の続きだ。つーか、スマホで黒板の写真撮っても怒られないんだよな?」
「そもそも授業聞いてるヤツがほぼいないからねえ、ウチのクラス」
「俺が知ってる高校と違う、おまえんトコ」
俺が通っていたのは、そこそこの進学校だった。
みんな昔ながらのやり方で、手書きでノートを取っていた。
たまにノートの内容をPCでまとめ直してるヤツもいたが。
俺はあれは、時間の無駄だと思ってる。
「昨日の分の授業、ちゃんと撮ってあるか?」
「あ、クラウドに上げるの忘れてた。えーと、ぽちぽちっ」
愛姫はスマホを手早く操作して、写真をスマホに上げてくれている。
俺がクラウドストレージに共有フォルダをつくり、そこにアップするやり方を教えた。
愛姫は、こういうことはすぐに学習する。
まあ、こんなわけで――
俺は愛姫に勉強を教えることにした。
受験するかどうかさえ決めていないのに、女子高生の家庭教師とはいいご身分じゃねぇか。
我ながら呆れるが、受験勉強は続けてる。
それに自分で言うのもなんだが、本命大学に合格できる学力は既にある。
現状維持しつつ、愛姫に勉強を教えるくらいは可能なはずだ。
「先輩、写真上がったよん♡」
「ああ。でも、おまえんトコの教師、板書がどうにも下手なんだよな。やる気がないのか、元からスペック不足なのか――って、なんだこれ!」
「藍蓮女子2年2組パンチラコレクション♡」
「ナメてんのか!?」
「むしろ、星沢がナメてないときってあった?」
「おまえな……」
写真フォルダには、黒板を撮ったものと――
スカートの中にスマホを潜らせた写真や、スカートをめくりあげた写真がずらずらと並んでいた。
黒や赤、ピンクや白、縞模様などのパンツが10枚も――
何枚かは女子たちの顔も写っていて、ニヤニヤと楽しそうだ。
「やっぱ、黒板の内容だけじゃつまんないと思って♡」
「面白いかどうかの問題じゃねぇんだよ!」
「みんな、ノリノリで撮らせてくれたよ♡」
「マジでおまえらの倫理観、どうなってんだよ!?」
「そんな難しいワード言われても」
「…………」
確かに、あまりふさわしい言葉ではなかったかも。
「あ、このピンクは愛姫ちゃんパンツだよ。友達にバックから撮ってもらったんだよ。このお尻の肉にくいっと食い込んでるところがエロくない?」
「ああ、確かに――って、いらん解説加えんな!」
「うげっ、こっちのエグい黒パンツ……お尻がほとんど丸見えですぜ、兄貴!」
「誰が兄貴だ!」
見えてるのは気づいて、目に焼きつけるだけでスルーしたのに!
愛姫が帰ったあとで、じっくり確認するつもりだったのに!
「くそっ、このエロパンツ、誰だ……! あたしの先輩を誘惑するなんて、とんだビッチだね!」
「愛姫の先輩じゃないし、撮ったのもおまえだ」
「あ、ちなみにこれが今日の生パンツ♡」
「…………っ」
愛姫はスカートをがばっとめくり、パンツを見せつけてくる。
今日は水色の可愛らしいパンツだった。
真っ白で美味しそうな太ももと、可愛い水色パンツの組み合わせは破壊力強すぎる……!
「やっぱ、あたしの有利なトコは先輩に生パンツを見せられるところだよね。お尻丸見えの黒パンツより、間近で生で見られる水色パンツだよね!」
「よし、愛姫。おまえはまずはわからせる必要がありそうだな」
「きゃ……!」
俺は、愛姫の肩をトンと押して畳の上に寝転がらせる。
スクールニットを押し上げるGカップのおっぱいが、たゆんっ♡と揺れる。
さらに、スカートも大きくめくれ上がり、水色パンツが見えっぱなしになる。
「まだまだわからんみたいだから、今日はちょっとキツめに責めよう。俺もだいぶ慣れてきたしな」
「えっ、あたしはまだそこまで慣れてないというか。気持ちよすぎて、頭真っ白になっちゃうっていうか……」
「一度、真っ白にしたほうがいい。余計な軽口も減るだろ」
「わっ、ちょっと、脱がす前にちゅーしてほしいなーとか……」
「わかってるよ」
「んむっ……♡」
俺は愛姫にのしかかるようにして、キスする。
まあ、こんな可愛いギャルJKがずっとそばにくっついてたら、こっちも勉強を教えるどころじゃない。
まずは一度、賢者タイムにならなければ。
「……うーん、仕方ない。買いに行ってくるか」
「そりゃ、毎日2個も3個も使ってたらすぐに無くなっちゃうよ」
俺は布団の上で起き上がり、カラになった箱を放り投げた。
最近は居間に布団を常備している。
いつでもさっと敷いて、愛姫と二人で潜り込むために。
俺は畳の上でも平気だが、愛姫は背中が痛いとか言うからな。
「えーと、先輩? あたしは一回くらいなら無しでもいいけど?」
「そんなわけにいくか。それに、あと一回じゃ終わらないだろうし」
「お、おお……♡ さすが先輩だぜ……♡」
「ちょっと待ってろ。さっと行ってくる」
「あ、ついでに抹茶ラテとポテチとパッキー買ってきてー♡」
「お使いさせんな」
あまり甘やかしすぎるのもなんだしな。
あくまで俺は、愛姫に“わからせる”のが目的だ。
甘えてばかりのこいつに勉強を教えて。
俺を挑発したらどうなるか、身体に教え込まなければ。
一回や二回だと、愛姫も楽しむばかりで効果がない。
もっともっと、愛姫をメチャクチャに責めてやらないと。
俺が楽しんでるだけのような気もするし、愛姫もおおいに楽しんでるので効果は怪しいが。
愛姫を残して家を出て、門を開けると――
「へぇ……」
「ん?」
向かいの塀のところに、女子高生がしゃがみ込んでいた。
そばに白い猫がいる。
ウチの庭でもたまに見かける猫だ。
その女子高生は、真っ赤なセミロングの髪で。
前髪が長く、右目がほぼ隠れている。
冷たい印象だが、顔つきはずいぶんと整っていて怖いくらいだ。
ブラウスの上にイエローのパーカー、ミニスカート。
最近見慣れてしまった、藍蓮女子の制服だ。
「あんたがアイの……ふぅん」
「アイ?」
「ま、いいや。またね……お兄さん」
「は……?」
女子高生は白猫の頭を撫でると、立ち上がって歩き去って行った。
「なんなんだ、今度は……」
というか、さっきの女子高生。
正面を向いてしゃがみ込んでいたので、スカートの奥にちらっと赤いパンツが見えていた。
藍蓮女子の生徒は、マジで見せパンをはかないらしい。
ここで暮らしている限り、パンチラには不自由せずに済みそうだ。
今日だけで写真で10枚、生パンツが2枚目だ。
俺が愛姫にわからせるどころか。
だんだん、俺のほうが女子高生たちにいいように翻弄されてるような――
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