第10話 道具屋でアイテムを買う

「いらっしゃいませ! ルナールの道具屋にようこそ!」


 カランカラン。鳴り物の音が響いた。客の入店を知らせる合図だ。


 道具屋に入ると、快活な女の子の声が聞こえてくる。


 俺達は店内を見て回る。一通りのアイテムは揃っているようだった。


 その時、俺は一つのアイテムを発見する。分厚い本だった。普通の本ではないように感じる。

 

 不思議な魔力が溢れ出ているように感じた。


「何ですか? これは?」


「ああ……それは『スキルブック』です」


「『スキルブック』?」


「説明すると……汎用性のある普通のスキルを習得できる魔導書です。とはいえ、スキルレベルは1から始まるのですぐに使い物にはなりませんけど……。まあ、スキルの入門書みたいなものです」


「へぇ……」


「スキルブックには色々と種類がありますので、必要なものを探してみてください」


 俺はスキルブックを物色した。オークは火炎魔法が弱点だったな。俺は火炎魔法のスキルブックを入手する。


 他にも必要なものはあるが、装備の時と同じように使えるお金は限られているのだ。これくらいにしよう。


 それから必要なのはポーションだ。俺は回復力小の青色ポーションを10個手に取った。


 それから5個程、MPが回復するエーテルを手に取る。それから食糧となるパンと水を適量購入した。


「お代は金貨2枚になります」


 俺は金貨2枚を支払う。これですっからかんだ。


「またのご来店、お待ちしていますー!」

 

 カランカラン。鳴り物の音がする。俺達は道具屋を出た。


 ◆


「お金、なくなっちゃいましたね」


 セラはそう言ってきた。


「ああ……だけど、仕方ない。これはこれから成功していく為の、先行投資みたいなものだ」


「そ、そうですね」


 一層、これから行うオーク退治のクエストを失敗できなくなってきたけど……。


「よし……それじゃあ、エマって村まで行くか」


「は、はい! そうしましょう!」


「……っと、その前にスキルブックでスキルを習得させないと」


 俺はスキルブックを開き、スキルを習得する。どうやら、スキルブックは消耗品のようだった。


 俺が一回スキルを習得(ラーニング)すると、スキルブックは最初から何もなかったかのように消えていった。


 あれで結構な金額したのに……勿体ないようにも感じたが仕方ない。


「よし、気を取り直してエマって村まで行こう!」


「は、はい!」


 こうして俺達はエマという村へと向かったのだ。


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アイテム欄 新規購入

ポーション×10

エーテル×5

パン×5

飲料水×5


※エルクはスキルを習得(ラーニング)した


『火炎魔法』LV1 NEW


※ 所持金『金貨2枚』が0になった


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