黒ぶち眼鏡でうっすらハゲててしかも元おっさんという特徴しかない喋るハムスターと、金髪に関西弁と若干怖い見た目とは反対に料理上手で優しい一面もあるというギャップ抜群の達月君による、ほのぼのしんみり飯テロコメディです。
本作はとりわけご飯の描写が丁寧で、調理の過程からハムの食レポまで料理ひとつひとつの魅力を細かく伝えてくれます。文字を読んでるだけなのにお腹が鳴りますよ。マジ。
作者様が連載していた長編二作との繋がりもあるので、そちらから来た人も、まだ読んでない人も、ぜひどちらも覗いてみてください。ハム月コンビがより愛おしくなること間違いナシです!
金髪ヤンキー青年・北橋達月は、今までの記憶を失っていくという己の性質と向き合いながら、一人で慎ましく暮らしている。
そんなある日、人の言葉を喋る不思議なハムスター・通称ハムを拾い、食事を共にしたことがきっかけで(なんと、人間のごはんを食べられる!)、一人と一匹の飯テロな日々が始まった。
具だくさんのお茶漬けに、アレンジで味わいが大きく変わるカレー、過去の思い出と結びついたシチューに、一緒に作った餃子……美味しいごはんが並ぶ食卓には、じんわりと温かな空気が流れていて、読みながら涙腺が緩みます。
誰かと一緒に食べるごはんは、とっても美味しい。そんな日々の幸せに寄り添った、丁寧で優しい物語でした。最後まで読み切ってしまったことが寂しいくらいに面白かったです。ごちそうさまでした!
異種族間の友情とは、ちょっと違います。
本作に登場するハムスターは人間(文法がおかしい)で、黒ぶちメガネをかけて(耳は頭頂部)髪の薄くなった(どこからが髪なのか)おっさんという、ヴィジュアライズが少し難しい御人、いやハムスター。
自称スーパーパワーなエスパーでありながら、なんの因果かハムスターに身をやつし、流浪の旅をする彼を、主人公の北橋達月(きたばしたつき)くんが美味しい料理でオモテナシするお話です。
「男子厨房に入らず」なんて、明治、大正、ぎりぎりゆずって昭和までのローカルルール、イマドキ男子には欠かせないモテ要素、それが料理です(決めつける)。
作中で披露される達月くんの手料理は、どれもこれも素晴らしい工夫と愛情(普遍的アガペー的な広義の意味)が込められた、なんとも御相伴にあずかりたい逸品ぞろいになっています。
とある事情でプライベートヒッキー(失礼)な達月くんですが、ゆったりと流れる時間と物語の中で、少しずつ心境と環境に変化が訪れます。
タイヘン気になる女性キャラクターの登場や、作者さまの別作品「コード・オリヅル」ともリンクしつつ、さわやかな笑顔、とりあえずのラストシーンに余韻を残すホームメイド・ほこほこコメディ、幸福感と空腹感をオスソワケしてもらえます!
関西弁の記憶を失った金髪ヤンキーの男は、人語を話す頭がハゲた黒ぶちメガネをかける奇妙なハムスターと出会う。このハムスターは自称最強のエスパーだというが……。
見た目のギャップが大違いな、この凸凹コンビは癒しを運んで来てくれます。
軽妙な掛け合いの言葉がテンポよく進むと共に、絶妙なメニューに食欲をそそられてしまいます。飯テロとハム可愛い~。は、卑怯な程にほっこりですね。
『コード・オリヅル~超常現象スパイ組織で楽しいバイト生活!』のスピンオフで、ハーフ&ハーフのコラボ作品。
さぁ、一緒にモフモフモッキュン・ほっこりしたら、今日はなに食べる?
名作『コード・オリヅル~超常現象スパイ組織で楽しいバイト生活!』のスピンオフ作品。
金髪ヤンキーの達月くんは、可愛い可愛いハムスターを拾った。お腹を空かせていたようなので、エサっぽいものをあげるのかなと思いきや! そいつはガッツリ人間の食べるものを口に入れたのだ。しかも、人の言葉を理解して喋るっ!
ハムスターではなくモンスター級の食欲と敏感な味覚は、そこら辺のグルメを自称する者たちよりも本格的。ついには、己の持つ異能を用いて料理までしてしまう。漫画やアニメを見ているかのような筆使いに、抱腹絶倒すること間違い無し!
しかし、ドタバタとコマが進むだけではない。企画の核となる『飯テロ』も、盛り沢山のメニューが用意されており、その内容もまた美味そうなのだ。また、スピンオフと称されるに相応しい繋げ方も面白く、『コード・オリヅル~超常現象スパイ組織で楽しいバイト生活!』の方も改めて読み返したくなってくる。
異色のコンビがお届けする、爆笑『飯テロ』劇場。腹を空かせてご来場下さい☆