雨の後の不思議(雨上がり)
雨が止んでいる隙を見計らって散歩に出た。
雨の後の匂いを嗅ぐため。
雨が降った後はいつもと違う町の匂いがする。どこか知らない遠くの町の匂いも雨が連れてきたような、そんな匂い。
ゆっくりと歩いてたっぷりと空気を吸い込む。しばらくしてまた雨が降ってくる前に帰ろうと決めて、コンビニにおやつを買いに寄った。せっかく外に出たのだから、その余韻をうちでも味わいたい。
コンビニを出て、家までの道を歩く。
予期せず、行きと同じ道になった。すると、おかしい。行きに抜かしたはずのおじさんがまた少し前を歩いている。コンビニにはいなかったはずだから、ずっとこの辺りをウロウロしているのだろうか。よく見ると千鳥足な気もする。
どうしようか、悩んでいるとおじさんは信号を渡って反対側の道へ行った。わたしは前を歩いていた若者集団に紛れて先を急いだ。
少ししてふと振り返ると、おじさんはなぜかすごく遠くにいるように見えた。
あのおじさんはいったい、何をしていたのだろう。きっとこれは雨の後の、不思議なこと。
そんな今日の1曲。
WOMCADOLEで『雨上がり』
雨がたくさん降っているのに、少し網戸があいていて焦りました。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます