雨の後の不思議(雨上がり)

雨が止んでいる隙を見計らって散歩に出た。


雨の後の匂いを嗅ぐため。

雨が降った後はいつもと違う町の匂いがする。どこか知らない遠くの町の匂いも雨が連れてきたような、そんな匂い。


ゆっくりと歩いてたっぷりと空気を吸い込む。しばらくしてまた雨が降ってくる前に帰ろうと決めて、コンビニにおやつを買いに寄った。せっかく外に出たのだから、その余韻をうちでも味わいたい。


コンビニを出て、家までの道を歩く。

予期せず、行きと同じ道になった。すると、おかしい。行きに抜かしたはずのおじさんがまた少し前を歩いている。コンビニにはいなかったはずだから、ずっとこの辺りをウロウロしているのだろうか。よく見ると千鳥足な気もする。


どうしようか、悩んでいるとおじさんは信号を渡って反対側の道へ行った。わたしは前を歩いていた若者集団に紛れて先を急いだ。

少ししてふと振り返ると、おじさんはなぜかすごく遠くにいるように見えた。


あのおじさんはいったい、何をしていたのだろう。きっとこれは雨の後の、不思議なこと。


そんな今日の1曲。

WOMCADOLEで『雨上がり』


雨がたくさん降っているのに、少し網戸があいていて焦りました。

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