素敵な質問(歓びの種)
「どんなものを書いているの?」
この質問は、結構困る。
物書きとして、成熟−成熟というのがどういう状態を指すのかはわたしにはまだわからないが−していたら困らないのだろうか。その答えには辿り着いていないが、とにかく今のわたしはこの質問が苦手だ。
わたしは日々、周囲の人には陽気な姿を見せることをモットーにしている。しかし、書いているものは大抵暗い。生きているなかでもやもやしたことや、忘れちゃいそうな飛んでいってしまいそうなちょっぴりの幸せを書いているから。だからきっと日常のわたしを知る人からすると、イメージと創作物が噛み合わないのではないか、という不安がある。それは、わかってもらえないのではないか、余計な詮索をされるのではないか、というものでわたしに構えの姿勢を取らせてしまう。
しかし「物書きになりたい」と周囲に言い始め、この質問の良い回答を見つけられず四苦八苦していたとき、高校の頃からの友人が素敵な正解をくれた。
「文章を書くのですか、どういうのを書くのですか?」
はじめはいつも通りの流れだった。
(この友人は敬語で話すことを大切にしている。)
しかし、少し答えに迷うわたしを見て目の前に座る友人は、こう繋げた。
「好きな作家や目指している作家はどなたですか?」と。
あー、これだ、と一瞬で体に染み込んだ。
次からはこれを答えにしようと。
なんだかこの一瞬ですっかり身が軽くなった、そんな日だった。この時食べていたからなのか、タイ料理が妙に好きになったのはまた別の話。
そんな今日の1曲。
YUKIさんで『歓びの種』
種まき期間がそろそろ終わりそうです。
そして新しい小説を書き始めました。
ぼんやりした僕の話です。
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