海に流そう(progress)
耐えきれなくなって海に来た。
カルピスとアイスは現地調達した。
あー、なんていい匂いなんだろう。
小説家になったら住みたい町、逗子。
会社勤めには少し不便なこの町に住むことにずっと憧れている。
誰かと行きたいな、と思い浮かぶのはいつも同じ人。でも今日だって、いつだってつれない。それが普通だから仕方ない。まあ、そもそもある程度の距離に住んでいる人を当日の昼に誘うのが間違っているのだろう。それはわかっている。
離職して、3ヶ月が経つ。
「もともと転職市場では低い書類選考通過率がさらに下がってしまいますから、頑張りましょう。」と登録したばかりのエージェントさんに言われた。
4月からの日記を振り返って、やるべきことをやっていなかったのか、間違えていたのだろうか、と虚しくなった。
失業保険の申請もエージェント登録も遅かった私は、夢を見すぎていた。
4,5,6月に出した公募の結果を待つのも怖い。
耐えきれないのは暑さではなく、現実なのだと思う。嫌でも苦しくても、辞めちゃダメだったのかもしれない。今となっては、もう何がよかったのかすらわからない。
夏なのに、元気が萎んでいく。
だから海に来た。
嫌なことは海に流そう。
悲しいことは海に食べさせよう。
波打ち際に佇み、指で綴る。
海に涙を混ぜる。
少し、元気になった気がする。
今日の1曲。
スガシカオで『progress』
理想の自分は意外といつも今の自分だったりすると思います。
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