見た目と余裕(それが答えだ!)

谷川直子さんの「世界一ありふれた答え」という本を読んだ。自分の世界の全てだと思うほど大切にしているものを失い、ウツ病と診断された一人と一人の男と女が、もがきながらもまた新しい道を開く、というお話。


その中に、ウツの症状の一つとして服装にまで気が回らない、というものがあった。


なんだか妙に納得してしまった。


たしかに、思い悩んでいる時は矢印が完全に自分の内に向いてしまっている。自分が外からどのように見られているか、見せるかまで考えられないな、と。


私は今のところ、ウツだと診断されたことはないが、これまでひとりでちまちまと悩むことが多かった。だから、服装まで悩みたくない、と決まった服を着回してきた。特に制服を愛していた。これさえ着ていれば大丈夫です、と言われているような安心感が堪らなかった。


しかし、ここ最近少し変化があった。

きちんと化粧をし、好きな服を好きなように着て、堂々と歩くことはとても楽しいということを知ったのだ。縮こまって自分を自分でダメだと評価するのではなく、良いと思う自分を作ることが必要なことだった。


きっと気にしすぎることから、幾分か解放されたのだろう。見えない誰かと比べていつも戦っていた。敵は自分の思い込みだった。あれは似合わない、あれをするのに私はふさわしくない、などというもの。


敵がいなくなった私には余裕が生まれた。

それは本当の意味で自分と向き合うためのものとなっている。


これも一つの進化だな、なんて思う。


そんな今日の1曲。

ウルフルズで『それが答えだ!』


それ、は自分で見つけるんですね。

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