第20節 信頼
歌川視点
「やっとついたー」
クレアくんと一緒に下山して村に着くと、消火は終わったらしく大部分の消火活動をしていた時よりか静かになっていた。村人もあまりいないくなって兵士が学校跡の燃え残りを消火している。
「火事で怪我した子がいるらしいぞ」
兵士が心配そうに話している声が聞こえた。
「まさかいるなんてな。元々子ども達の遊び場にはなっているって聞いてたけど。可哀想にな」
手を強く握られて、クレアくんを見ると体を小刻みに震わせていた。
「クレアくん、行こう」
クレアくんの手を引っ張ってこの場から離れる。
私にはクレアくんを
「お! 優花! クレアくん!」
正面から手を振りながらクロノさんが走ってきた。
「如月達はどこにいますか?」
「今応急所にいるよ」
「え?! 怪我したんですか?」
「それが、如月ちゃんが子どもが学校の中に入ったっていうのを聞いて、助けにいっちゃったんだよ。セシルから聞いて僕が助けなかったらほんと死んじゃっていたかもしれないよ」、とクロノさんはぼやいた。
如月は変なところで正義感というか責任感じちゃうところあるから、あながちやりかねないな。
「助けてくれてありがとうございます。私からも強く言っておきます」
********
セシルのお父さんと別れて、急いで応急所に入ると、セシルと如月が一緒に寝ていた。
「あらあら~、可愛らしいこと~」
ニンマリしてしまいたすわ〜。百合は元来ガンを治すと言われてるので。
いつまでも2人の寝顔を見ていてもいいのだけど、如月から状況聞かないと。
「起きてー」
2人の体を揺らす。
「はっ!」
セシルが飛び起きた。
こんな焦った姿のセシル初めてみた。
「おはようー」
「お、おはようございます」恥ずかしそうに髪を手でとかしながら言った。
「おはよう!」
可愛いなぁ。私もセシルみたいに可愛くなりたいもんだ。
「如月も起きてー」
頬を軽く叩く。
如月の目が半開きになった。
「おはよう」
「え!? おひょう、戻ってきてたの」
如月はガバっと布団を這い出て、驚いている。
「おひょうって、なに」笑いながら茶化すと「うるさい」と反論してきた。
元気そうで良かった。
咳払いをして、話す。
「なんで学校の中に入ったの? おかしもって教わらなかったっけ?」
如月の腕や足に包帯が巻かれていて、痛々しかった。もし、クロノさんが助けていなかったら死んでいたかもしれない。
「自分から、もう説教は済んでいますので大丈夫ですよ」
セシルが私の前に手を出す。
「だとしても、如月なんで危ないことっていうか、自分のこと大切にしないかなぁ」
「あたしは正しいことをしただけ」
如月はふてくされながらぼやいた。
人の心配をこいつは…。
「そういえば、アミさんはどうしたんですか?」
「アミはデロル懲らしめにいったよ」
「え? それはどういうことですか」
セシルが困惑した表情で話す。
「まずね、クレアくんが学校に火をつけて実はそうするように、仕向けたのがデロルなんだよね」
「クレアくんそれは本当ですか?」
セシルはクレアくんと、目を合わせて聞いた。
クレアくんは黙ってうなずいた。
「学校に火をつけたって、子どもが」
「如月だめだよ、それ以上は。クレアくんもわかっているから」
如月は
「でも、デロルさんがまさか…」
セシルはショックを隠せずにいた。村の人からしたらデロルは良い奴で驚きは隠せないだろうに。ニュースでよく報道される「まさかあの人が」って奴だろう。
「アミさんは大丈夫なんですか。デロルさんは魔法がこの国で1番といっても過言ではありませんよ、そんな人に勝てるんですか」
セシルは不安そうな表情をしていた。
「それは大丈夫でしょ、ねぇ如月」
「まぁアミなら大丈夫だよ」
如月は笑いながら答えた。
「アミさんは魔法を使えるんですか?」
「使えないよ」
「それなら無理ですよ、相手は魔法を使えて自分は使えないようじゃ、絶対に勝ち目がありませんよ! 大人と子どもが戦うようなものです。いえ、象とナメクジが戦うくらいです」
「大人と戦うくらいならアミは大丈夫よ、絶対。熊だって素手で殺したことあるし、武装した大勢のヤンキー相手でも素手でボコボコにしたんだから」
如月が自信満々に語る。
「魔法ですよ、炎や水が使えるんですよ?」
「なんだろうね、アミはケンカにおいてはバケモンだから魔法でちょうどいいんじゃない?」
腕が折れようと、ナイフで腹を刺されたとしてもアイツならケロッとしてそう。
私も自信満々に答える。
「そうそう、一時期さ頭に銃撃たれても生きているとか、銃弾避けれるとか噂流れてたけど、アミならありえそうだよね」
如月と笑いながら話していると、セシルは不安そうな表情だった。
「なんでそんなアミさんが勝てると自信があるんですか」
「そりゃ、高校3年間ずっと一緒にいたからねー」
「アミは馬鹿だけどたまに、ほんとたまに頼りになるから」
私は笑って答えた。
アミなら魔法くらいヘッチャラだろう。
歌川視点
「やっとついたー」
クレアくんと一緒に下山して村に着くと、消火は終わったらしく大部分の消火活動をしていた時よりか静かになっていた。村人もあまりいないくなって兵士が学校跡の燃え残りを消火している。
「火事で怪我した子がいるらしいぞ」
兵士が心配そうに話している声が聞こえた。
「まさかいるなんてな。元々子ども達の遊び場にはなっているって聞いてたけど。可哀想にな」
手を強く握られて、クレアくんを見ると体を小刻みに震わせていた。
「クレアくん、行こう」
クレアくんの手を引っ張ってこの場から離れる。
私にはクレアくんを
「お! 優花! クレアくん!」
正面から手を振りながらクロノさんが走ってきた。
「如月達はどこにいますか?」
「今応急所にいるよ」
「え?! 怪我したんですか?」
「それが、如月ちゃんが子どもが学校の中に入ったっていうのを聞いて、助けにいっちゃったんだよ。セシルから聞いて僕が助けなかったらほんと死んじゃっていたかもしれないよ」、とクロノさんはぼやいた。
如月は変なところで正義感というか責任感じちゃうところあるから、あながちやりかねないな。
「助けてくれてありがとうございます。私からも強く言っておきます」
********
セシルのお父さんと別れて、急いで応急所に入ると、セシルと如月が一緒に寝ていた。
「あらあら~、可愛らしいこと~」
ニンマリしてしまいたすわ〜。百合は元来ガンを治すと言われてるので。
いつまでも2人の寝顔を見ていてもいいのだけど、如月から状況聞かないと。
「起きてー」
2人の体を揺らす。
「はっ!」
セシルが飛び起きた。
こんな焦った姿のセシル初めてみた。
「おはようー」
「お、おはようございます」恥ずかしそうに髪を手でとかしながら言った。
「おはよう!」
可愛いなぁ。私もセシルみたいに可愛くなりたいもんだ。
「如月も起きてー」
頬を軽く叩く。
如月の目が半開きになった。
「おはよう」
「え!? おひょう、戻ってきてたの」
如月はガバっと布団を這い出て、驚いている。
「おひょうって、なに」笑いながら茶化すと「うるさい」と反論してきた。
元気そうで良かった。
咳払いをして、話す。
「なんで学校の中に入ったの? おかしもって教わらなかったっけ?」
如月の腕や足に包帯が巻かれていて、痛々しかった。もし、クロノさんが助けていなかったら死んでいたかもしれない。
「自分から、もう説教は済んでいますので大丈夫ですよ」
セシルが私の前に手を出す。
「だとしても、如月なんで危ないことっていうか、自分のこと大切にしないかなぁ」
「あたしは正しいことをしただけ」
如月はふてくされながらぼやいた。
人の心配をこいつは…。
「そういえば、アミさんはどうしたんですか?」
「アミはデロル懲らしめにいったよ」
「え? それはどういうことですか」
セシルが困惑した表情で話す。
「まずね、クレアくんが学校に火をつけて実はそうするように、仕向けたのがデロルなんだよね」
「クレアくんそれは本当ですか?」
セシルはクレアくんと、目を合わせて聞いた。
クレアくんは黙ってうなずいた。
「学校に火をつけたって、子どもが」
「如月だめだよ、それ以上は。クレアくんもわかっているから」
如月は
「でも、デロルさんがまさか…」
セシルはショックを隠せずにいた。村の人からしたらデロルは良い奴で驚きは隠せないだろうに。ニュースでよく報道される「まさかあの人が」って奴だろう。
「アミさんは大丈夫なんですか。デロルさんは魔法がこの国で1番といっても過言ではありませんよ、そんな人に勝てるんですか」
セシルは不安そうな表情をしていた。
「それは大丈夫でしょ、ねぇ如月」
「まぁアミなら大丈夫だよ」
如月は笑いながら答えた。
「アミさんは魔法を使えるんですか?」
「使えないよ」
「それなら無理ですよ、相手は魔法を使えて自分は使えないようじゃ、絶対に勝ち目がありませんよ! 大人と子どもが戦うようなものです。いえ、象とナメクジが戦うくらいです」
「大人と戦うくらいならアミは大丈夫よ、絶対。熊だって素手で殺したことあるし、武装した大勢のヤンキー相手でも素手でボコボコにしたんだから」
如月が自信満々に語る。
「魔法ですよ、炎や水が使えるんですよ?」
「なんだろうね、アミはケンカにおいてはバケモンだから魔法でちょうどいいんじゃない?」
腕が折れようと、ナイフで腹を刺されたとしてもアイツならケロッとしてそう。
私も自信満々に答える。
「そうそう、一時期さ頭に銃撃たれても生きているとか、銃弾避けれるとか噂流れてたけど、アミならありえそうだよね」
如月と笑いながら話していると、セシルは不安そうな表情だった。
「なんでそんなアミさんが勝てると自信があるんですか」
「そりゃ、高校3年間ずっと一緒にいたからねー」
「アミは馬鹿だけどたまに、ほんとたまに頼りになるから」
私は笑って答えた。
アミなら魔法くらいヘッチャラだろう。
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