第16話 GWは何をする?
4月も残り僅かになってきた、世間は既にルンルン気分だろう。
いよいよ明日からGW(ゴールデンウィーク)の大型連休がスタートする。
彩葉は高校生になって既に生活に大きな変化があった、高校に進学したことはもちろんだが普通二輪免許を取得してバイクに乗れるようになったので他の同い年の人達より行動範囲が広がった。
せっかく移動の足があるので、GWはどこかに出かけるのもいいだろう。
愛琉はGWは聞くまでもなく教習に没頭するだろうから今回の連休はそんなに遊ぶことはなさそうだ。
そういえば昨日、TVで山梨の特集の番組がやっていたのでほうとうを食べに山梨に行くのもアリだろう。
そんなことを考えてたら、彩葉のスマホの着信が鳴ったので確認すると京香からだった。
彩葉は電話に出ると「今からうちに来れない?」と言われたので「家にいるので行けますよ」と返事をする。
詳しいことは来てから話すと言うので、早速京香の家に行く準備をする。
FXのエンジンをかけて暖機を済ませると、彩葉は京香の家に向かった。
7分くらいで京香の家に着くと、店側の入口に京香と剛がいた。
バイクを停めて、2人の元へいくと何やらバイクの部品を手に取り話していた。
「あ、彩葉ちゃん!悪いわね急に呼んで」
彩葉は「大丈夫です」と言うと、京香が手に持っている部品を彩葉に見せながら説明する。
「蓮に頼まれて取り寄せたFXのキャブなんだけど、アイツが明日欲しいと言ってきたから困ってたのよ」
蓮は彩葉の実の兄だ、彩葉が高校入学寸前に転勤で山梨に行っている。
蓮もバイク好きで実家にいた頃は暇さえあるとバイクを弄ったり磨いたりしていた。
話を聞いて彩葉はちょうどGWは山梨に行こうかと思っていたし、行く口実ができたからちょうどいい。
「GWに山梨にソロツーに行こうかと思っていたので、私で良ければあんちゃんの所まで届けますよ」
京香と剛は仕事があって余裕もなく、彩葉があっさりOKしてくれたので正直ホッとした。
本当は免許取り立ての彩葉に頼むのは抵抗があったが、彩葉の上達の早さとセンスを見込んでお願いすることにした。
剛は「遠出するなら簡単だけどバイクを無料でメンテしてやるよ」と言ってくれたので、是非お願いした。
メンテは30分程で終わって、京香から部品を預かって彩葉は自宅に戻った。
バイクをガレージに入れてシャッターを閉めて、家の中に入ろうとしたら、蓮から着信が入った。
『よう!元気にやってるか?京香から聞いたよ、単車の免許取ったんだってな!しかも一発試験だろ?やるじゃんかよ』
蓮は、流石俺の妹と言った感じに誇らしく思ってるようだった。
送迎を頼れる親も兄妹も居なければ自分でなんとかするしかない、やんちゃ者の父と兄を持つ彩葉は一見おっとりしてそうだが気合いと根性がその辺の女子とはひと味違う。
彩葉は京香からキャブを預かったことや、明日そっちに行くことを話したら蓮は「マジかよ!?」と驚いていた。
「GWはせっかくバイクに乗るようになったから遠出してみたかったんだ、山梨着いたら良い所を案内してよ」
彩葉が電話越しにそう言うと、蓮は免許を取って以前と雰囲気が変わった妹が嬉しかったのか『任せな!美味い飯屋でも案内してやるよ』と言った。
蓮の話では、最近の山梨はアニメの舞台として特定の地域が登場していて聖地巡礼をしているアニメファンが多いんだとか?
その影響で女子高生がキャンプをしたり、原付バイクのスーパーカブが人気だったり。
アニメの影響で潤っているらしい…
彩葉もアニメは好きでよく観てるので、実際に山梨に行ったら聖地とやらに行ってみたい。
要件はとりあえず済んだので、電話を切ろうとしたら「明日は気をつけてこいよ!じゃあな!」と言って蓮から電話を切った。
相変わらず電話を切るのが早いあんちゃんだ…
彩葉はマップで到着時刻を調べると5〜6時間と出たので、今日は早めに寝て3時くらいに起きないとマズイな…
彩葉は風呂に入ると晩飯を簡単に済ませて、布団に入った。
明日は初のロンツーだ、事故を起こさないように安全運転で行こうと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます