プロローグ

ごく普通の家庭に生まれ、ごく普通の学校に行き、

ごく普通の身体能力を与えられ、ごく普通の学力を与えられ、

ごく普通の才能を与えられた。

何?ごく普通ごく普通うるさいって?

……わかってないなぁ。

ごく普通、このたった五文字の言葉で僕の人生が表せてしまうんだぞ?

それはそれはつまらない人生だよ。

成人して、実力主義の社会に放り出された今、働くしかすることがないんだ。

特別な役職につけるわけもなく、ただミスをすれば怒られ続けるだけの一般社員。

…………。

…あーあ、こんなんなら凄い家計に生まれて、凄い学校に行って、

特徴ある身体能力と、普通じゃない学力と………


面白みのある人生が良かったなぁ。

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