第19話 本音と建前の、国々。裏アカウントを持って、本音を隠す、今どき就活生な感じ。こういう海外旅行があっても、面白いでしょ。

 本音と建て前が良く見られる中東地域が、サヤさんによれば、イランらしい。

 イランは、日本の文化に、興味をもってきた国だ。

 すでにあげたように、あ…また、ホテルのフロントの男性だったけれど、「おしん」の名前があがった。

 「おしん」のドラマが、イランで受け入れられたのは、日本人の勤勉性と、ドラマチックな大らかさという二重構造が注目されたから?

 本音と建て前…。

 「本音を隠して、内定ゲット!裏では、何をやっても良いんじゃないの?」

 裏アカウントを持って、本音を隠す、今どき就活生かよ!

 イランのような地域では、チャドルもコートも、上手く、使われていたようだ。

 たとえば、モスクで。

 「ここでは、撮影ができません!」

 カメラを持っていただけで、怒られる。

 「持っているだけ。撮影は、しません!」

 そう言っても、怒られる。

 こういうとき…。

 本音と建て前の二重構造を使った上手い切り抜け方が、あった。

 カメラなどは、チャドルの中に隠して、こっそり、持ち歩いちゃえば良いのだ。

 本音と建て前の使い方が上手い国、イランに日本。

 本音と、建前。

 二重構造のマスク、みたい?

 「以上が、私の体験記です」

 「サヤさん?」

 「はい」

 「マスクにも、チャドルにも、不思議な力があったようですね」

 「そう思っていただけて、光栄」

 「え、何で、サヤさんが?」

 「なるほどね」

 「…なるほどねって、良いですよね?」

 「え?」

 「幼稚じゃなくて、良い」

 「?」

 「だって、サヤさん?」

 「はい」

 「今どき男子とか、なるほどですね!とかって、言うんですよ?」

 「何も、考えていない証拠です。なるほどですね!今どき男子に、何がなるほどなのか、聞いてみてください。きっと、答えられない。学校の先生も、似ています」

 こんな海外旅行も、あるんだな。





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