#22 三期生、コラボ配信です!

「今日一日目は“三期生の自己紹介”ということで!短い時間ですが三期生の皆さんに順番ずつ喋ってもらいましょー!」



司会を務める一期生のヒマが明るく言うと、右下に居たアシュのミュートが外れた。


「ハイハーイ、はじめまして、オレは出雲アシュだよ~。ちょっと今、自分が自己紹介イチバン最初ってことにオドロいてるんだけどね、こうやってミンナに会えてとてもウレしいよ!」


・外国人か?

・アシュって名前、なんかカッコイイな[\1000:くるたん、さんから]

・出雲とアシュ…、ハーフを表してるのかもな、しらんけど[闇ちゃん、さんから]

・胡散臭い顔ってカンジで草。でも、悪くない[\5000:推しの供給、さんから]

・目細くてワロえる('ω')

・黒いパーカーはだけてんの狙ってます?そこから灰色のシャツがはみ出てんの分か

 ります?えっちぃ[\10000:テイル、さんから]

・新たな扉が開いた…

・ニキが天啓を貰ってる…やっぱ三期生は俺らの新たな推しだな


特徴的なカタコト。どうやらアジュガは蒼汰らしい。紺に近い紫色のボサボサ髪の

中央にアホ毛が寝ており、群青色の目は細い。黒いパーカーを着ているが、チラリと

灰色のシャツが見えている。さきほどのPVでは、下半身がデニムの青い

長ズボンで、靴下は履かず、灰色のスニーカーを履いていた。


「…え、あ、わ!次は私ですね、ごめんなさい!申し遅れました、百合園スイと言います、アルストロメリア担当です!ふつつか者ですがどうぞよろしく…」


・は?好き[\20000:クロイタン、さんから]

・ファー、幼女かよ[\6000:セミ、さんから]

・おどおどしてて可愛いwおじさん家くる?(笑)

・おまわりさんコイツです

・緊張しなくていいんだぞ、リラックスだリラックス

・ふあああああああ、くっそ可愛い

・可愛いかよ

・可愛いだよ!!!!!!!

・幼女メニアック、最高[\30000:貢ぎ隊、さんから]

・天啓が続々と来る…。これは天界も大忙しだな(笑)

・何上手いこと言ってんだよ褒める


これは言うまでもなくユイだ。次は自分の番と言うことに気付いていなかったのか、

慌ててマイクを入れ、自己紹介をした。これからして、自己紹介の順番はおそらく

PVで発表された順なのだろう。


ユイは横髪のくるくるカールが特徴的なお姫様ポニーテールで、朱色に輝いている。

服は白色のスカーフがマントのように広がった上着を着ており、その下に、へそが

見える赤色のシャツと、水着のような赤色のスカート、アシュと同じく裸足で、

ピンク色の夏物サンダルを履いていた。上着とスカートにはルビー色の石が

はめこまれた金色のリボンをつけている。ポニーテールについている髪飾りは、

アルストロメリアをイメージした花になっていた。


「あっ」


ヒマが叶希の方を見ている。PV順であっていれば、次は花鈴がマイクを入れ、

叶希として自己紹介をする番だ。深呼吸をし、マイクを入れる。今、自己紹介を

した瞬間から。多くのファン達の目に留まり、Vtuberとしての活動が始まるのだ。


「初めまして、乙葉叶希です!自分が三期生に選ばれたこと、とても嬉しいです。えと、あの…、よろしくお願いします!ちなみに好きなものはアップルパイです!!」


・行き詰まって好物の話に行くの好きだわ[\5000:闇ちゃん、さんから]

・アイドルっぽい衣装だな、可愛い

・“叶える希望”…?アイドルじゃん推す。私の希望になってくださいまし!!

・おさげにカモミールの花って…ワレの性癖ずたずたに引き裂いて来るわ推しまする

 [テイル、さんから]

・くそ、アシュはイケメンで、それでスイに叶希は…。可愛い子ちゃん多すぎだろ、

 まだ自己紹介してない奴らも最高だ。俺は誰を推せば…

・全員推して貢げるなんて金持ちしかいねぇ[\30000:get、さんから]

・可愛いわ推します。俺の一生涯の推しは叶希ちゃんだ!


オーディションのとき言われた通り、花鈴は自己紹介が苦手だ。名前以外、何を

言えばいいかわからない。だから色々と考えて来たのだが、結局言えずじまい

だった。それでも、コメント欄では応援する声や推す声があがっており、花鈴は

何とも言えぬため息をついた。


「わたしは七草四葉です。シロツメクサもとい、クローバー担当。好きなものは…、目標を作り、それを達成すること。よろしく」


淡々とした喋り方からして、この人はおそらく凛だろう。海松色みるいろの前髪を

センター分けにし、シロツメクサをモチーフとした、白いボンボンをつけた両腕の

少し上まで伸び、シロツメクサとクローバーの髪飾りを左側につけた髪はやわらかく

ウェーブしている。クローバーのボタンがついた常盤ときわ色のショールを肩からかけ、

下には真っ白なノースリーブのトップスとエメラルドグリーンのスカートを着。

そして、膝までくる白い靴下には深緑のロリータパンプスを合わせて履いていた。


・は?可愛い

・許す

・シロツメクサ担当の子の服可愛い、欲しい[\30000:ランダム、さんから]

・シロツメクサとクローバーならではの白と緑を基調してて最高!推しちゃう

・絵師さんこれ気合い入れたかな(笑)

・バランスがよろしくてよ?

・ツンケンとした顔もまた愛らしい

・ウッ、可愛い、ウッッ(バタッ)

・ニ、ニキーーーーッツ![\10000:貢ぎ隊、さんから]

・く、俺らが次々と死んでいく…!

・これが三期生か…、ガチで殺しに来てるな

・さすが新星

・トレンド入りしててワロタァ


「(すごい、可愛い…!)」


四葉…凛の姿を見て、花鈴はその容姿に見とれていた。ツンケンとした態度にその

容姿。バランスがとてもよく、コメント欄の勢いも増していた。花鈴の夢を否定して

いたが、花鈴だってそれは否めないことは知っていた。凛が言っていた通り、自分の

夢はそんなに簡単に、叶うものではないのだ。

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