14. 即物的な
よくよく考えてもみたまえ
いまにも命の絶たれんとするいまわの際の人間が
感情の奥底から絞り出したその絶叫、爆発せんばかりのその言葉が
考えに考え抜かれ推敲されたものでないことは 当然のはずだ
突発的、そして即物的ですらある、
表面的とすら誤解されかねないその言葉
放り出された言葉 手を加えられていない その瞬間瞬間に吐き出された言葉
そこにこそ私がずっと探し求めている
私がすすんで価値を見いだそうとする輝きがある
美しい包装などしようとは思わない
美しい包装に仕立てることなど夢にも思わない 不器用でおずおずとした指先
その指先が 詩を書く 詩を書く 詩を書く 詩を書く
確かに即物的だ 無造作に過ぎる
そしてとりとめもなく 意味の通らない言葉
しかしそれらは一種の鏡なんだ 最も正直で素直な私というものを映す
瞬間的な反射に次ぐ反射
美しい詩を書け 感動する詩を書け 我々のお気に召す詩を書けという
そんな意識のくびきを振り払う
物怖じしない言葉
あえて即物的にざっと書き流してみるのも また面白い試みだ
その言葉が汚ければ汚いほど 媚びもせず 少数派で
毅然とした顔ですっくと立っているほど
君の敵への 反撃の狼煙となるだろう
私は君達を振り回すだろう
とにかく好きに書いてみよう
君達はそれを好きに読んでみればいい
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