第568話 ハルネーとデート
ニロンとフィルフェリアが洋介と訓練していた
洋介は予言の・・死の宣告を覆すために訓練している
ダリアとエゼルからこの世界について知りたいと言われてデートすることになった
洋介が大変な時に良いのかよとも思うが予言自体は何年後かもわからない
思いつきや戦い方で予知はガラッと変わるらしいしエゼル達になにかヒントがあればもしかしたら予言も変化するかもしれない
城の奥で時間を早くして訓練を続けているがかえって視野や思考が狭くなるかもしれないのだ
「でもどこに行けばいいのよ?」
「はるねーちゃんの好きなところで」
「わかったわ・・いいのかしら」
「よろしくな!ハルネー!」
「よろしくお願いします」
洋介の危機に何も出来ないようで歯がゆいが、これも洋介のためになるかもしれない
まぁ洋介の嫁として、エゼルや他の人のことも知りたい
ニロンとか誰にでも求婚するようなかなりの変人だが洋介は「まだましな方」とか言ってた
・・・・・どんなだったんだ、旅の仲間ってのは
ダリアとは自分でも謎に打ち解けたがエゼルとはどこか壁があるように感じる
いい機会かもしれないな
私の運転で少し離れたショッピングセンターまで行こう
「これに・・乗るのですか?」
「そうよ」
「なにか作法はありますか?」
「・・・・・えっとね」
そうだ、この人たち異世界人だった
機械で動くものでこちらではポピュラーな移動方法であること、シートベルトを付けること、暴れないこと
「なるほど、馬車のようなものですね、御者はいるのでしょうか?」
「私が運転するわ・・・だから私の触るものには触れないでね?どう言えば良いんだ?あぁ魔導具、魔導具みたいなものだから!ほら、知識がない人が触ると危ないでしょ?」
「なるほど、さすがハルネーだ」
「・・・・・ちょっとまっててね?」
「わかった」
私の役割は『二人を連れて適当にデートする』ことで異世界を見せることにあるが・・・だめだ、周りにボディガードはいっぱいいるけど、私一人じゃこの二人に対処できないかもしれない
奈美はまだ打ち上げられた魚みたいにピクピクしてる
素直なセーに頼みたいところだけど奈美のお世話してるし、セー自身も結構怪しい部分があるしなにかあったときのストッパーとして期待できない
ダリアが苦手という意識が顔に出ているがヨーコに頼むか
「それは・・あの狂犬がいるなら仕方ないですわね・・・、分かりました!このヨーコルノリアに任せてくださいまし!!」
いや不安だわ・・・
とにかく微妙な気もするがヨーコは街に出たこともあるし、なんとかなるだろう
二人には、いや、全員で変装することにした
「この着物ではいけないのでしょうか?こちらの正装と洋介殿には聞いておりますが」
「確かに正装なんだけどね、大事な時にしか着ないし目立つわ」
「なるほど、では任せますが・・本当に高価な着物をいくつももらっておいてよろしいのでしょうか?」
「大丈夫!たしかに着物は高いのもあるけどレアナー教は儲けてるから・・・ですよね?レアナー様」
<好きにすると良いですぅ、あ、可愛ければ尚良しですぅ>
着替えさせようとしたのだけど、この人達なに着せても目立つ
二人ともそもそも顔が整ってるし加護のせいなのか目を引く気がする
服飾専門の部署の人達がものすごい勢いで服用意してくれてるけどエルフっぽさ強調しまくった服とか、まっ黒なローブとか、魔法少女っぽい服とか・・・怪しすぎる
「これなど目立たないのではないでしょうか?」
「いや目立ちまくるわ・・・」
ドレスだった
そんな中世ヨーロッパのドレスみたいなの出されても・・・
「これでも控えている方なのですが・・・」
「もうそのままでよくねーか?なに心配してるんだ?ハルネー」
ダメだ、彼女たちにはわかっていない、こっちで起きるであろう騒動が目に浮かんでしまう
「こっちには亜人っていないのよ・・エルフやダークエルフなんてのは伝説上の生き物でこっちじゃ見たい人もいっぱいいるから・・・そうね、下手に出れば数万人に握手とか求められるわよ」
「えぇ・・それは・・・・」
「すごく人気の神様が何百年ぶりに街の大通りに現れるようなものなのでしょう、わたくしも拝まれたりサインを求められることは多くありましてよ」
「こえー世界だな」
ワンピース、綿パン、普通のスカート、スーツ、芋ジャー、昭和レトロな単色ファッション・・・・・何を合わせようとしても目立つ目立つ
今のうちに聖騎士部や神官に信徒さんたちがいくつかの目的地に集結して安全を確保してくれてるから時間を潰せて良いんだけど・・もうあれだ、何でも揃ってるから城でよくね?って思っちゃう
バッティングセンターも映画館も、図書館もある
いやそれじゃよくないんだよね?
「もう目立っても良いかもしれない・・・」
「ここまできてですの!!?」
「だって、ダリアもエゼルも美人だから・・・!隠しようがないから・・・・・!!!」
「わかりますが・・・その・・・えぇ・・・・」
「ハルネーのいつもの服はどんなの着てるんだ?チビのは当てにならねぇし」
ヨーコのおすすめの服装は魔法少女っぽいやつだ
後は夜会とかのセレブっぽいドレスにお祭りの鉢巻きとハッピ、全く役に立たない
「私のはスポーティというか男っぽいというか・・・うあー・・・・・」
シャツに綿パン・・もう大分暖かくなってきたしそれでいいかな?
もしくはまだ寒い日もあるし二人は寒く感じてるかもしれないからセーター・・ちらりとマネキンを見て・・決めた、ロングスカートに・・・・
「遥様、お困りでしょうか?」
「任せて良い?地味目で」
「はい」
そもそも男女と呼ばれる私にファッションセンスはない
ワンピースだってほとんど着ることがないし、そもそもズボン派だ
待機していた服飾部のお姉さん方に任せてコンサバという大学でよく見るような定番のファッションに全員してもらった、コンサバってなんぞ?
いやもうそれでいいや
地味目の服装のはずなのに、みんな綺麗で・・やっぱ目立つなぁ
そもそもなんかオーラ出てる
がさつな私と違って・・・いやダリアはがさつだけど、なんか女らしい色気が出ている
―――城を出る前から前途多難である
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