第557話 クラーケン料理と異世界料理
クラーケンの解体を大まかに終わってご飯を食べることにした
この作業、どこかで終わらせないと何日も終わらないしね
道具や人を準備するとやっぱり早い、準備無しで蝿のたかる中で一人で魔獣を解体してる人もいるがあぁいうのは肉も痛むし良くない
「これ・・食べれるのですか?」
「食べれるようですね」
「基本はイカやタコの仲間でしょう・・・と言うと!そう!タコヤキの出番ですわ!!」
大きさからしてもイカやタコの仲間には見えないが、こちらの世界でも10メートルのイカはいるそうだし、向こうは魔力が豊富だからかな?
「あの、洋介さん・・」
「おぉ!動いた!動いたぞ!!?」
「口開けて見せてくださーい!!!」
「足の指の毛取った!毛ぇ取った!!DNA検査しようぜ!!!」
「「「おぉ~~」」」
科学者も『アダバンタスの大きさは生物的にありえない』となんか盛り上がっている
巨人族の大きさは人間からかけ離れている
アダバンタスは純人族から産まれて先祖返りを起こしただけあってかなり大きい方だが、真の巨人族はもっと大きいし、大きさに限度がない
古代巨人種、または巨神種は神だ
山を踏み潰せるサイズだけあって世界を作っては別の世界に行くか、神域に行くか、巨神族の世界に行く
だからそもそも巨人族自体が珍しい・・・毛で何する気なんだろう?
科学者たちを蹴散らしてご飯にする
タコっぽいと言えばタコっぽいがクラーケンはクラーケンだ
一応しっかり加熱して食べることにした
細かく刻んで茹でてからタコヤキにしているヨーコ
直子お義母さん達のチームはオリーブオイルとにんにくでアヒージョを作ってるようだ
なるほど、油で茹でれば問題はないのかもしれない
はるねーちゃんは肉料理に取り掛かっている
「エゼル、フィル、お肉色々あるけどどんなのが食べたい?」
「肉が選べるだけあるのか?無理はしてないか?」
「私たちはゲーガの肉でも大丈夫ですよ?」
「こっちの世界ではいっぱいお金稼いでて、美味しいお肉もいっぱいあるんだ・・・勿論ニロンも」
「キャンキャ・・・んんっ、楽しみにしている・・料理人のおすすめが食べてみたいな」
ニロンは落ち着いて一人になった、それでも獣人だけあって鼻が利いているのだろう
尻尾をふってフリフリキョロキョロしている
格好つけてるけど、尻尾は正直である
「三上、なにかおすすめある?」
「むしろ何が食べられないかわかりませんので・・・」
ちらりとエゼルとフィルを見た三上
そういえばエルフや犬科の動物って食べられないものがいっぱいあるんだったけかな?
「えっとね、皆には失礼かもしれないんだけどこっちの世界にはエルフとか居ないし、食べられるものと食べられないものがいっぱい言われてて・・食べれないものは食べれないってちゃんと言ってね!信徒いっぱいいるから確実に消費できるから!!」
「わかりました」
「うむ」
「はい」
「じゃあ三上、手早く作れるもの・・・いや、クラーケンの試食と作ってもらってる料理食べよう」
解体中もアダバンタス達に味の好みを聞いてた料理人がいたし既に色々と作られているはずだ
はるねーちゃんもそれがわかってるからかお肉出して焼き始めてる
「皆ベタベタだし、早く食べてお風呂入って今日はもう寝よう」
クラーケンは大きいし、ベトベトして疲れた
拭ったけど気持ち悪いし先にお風呂に入ろうかと思ったけど普通の信徒たちが入るのを待った、身体は洗ってからはいるけどそれでもこのベトベトした汚れは勝手に綺麗になる風呂でも残りそうだし
「かしこまりました、では料理を並べますので食べれるものを言ってください、どれでもお取りします」
「どうせならヨウスケが選んでくれぬか?全員の好みも知ってるだろう?」
「わかった」
アダバンタスにはポテトサラダ、エゼルにはうな重、フィルには天ぷら、セーセルリーにはさばの味噌煮、ダリアの分ははるねーちゃんが作ってる
「皆冷めないうちに食べて」
「<うまっ?!! 何 だ こ の 味 は !!!! う ま す ぎ る !!!!!>」
「アダバンタスうるさいぞ、でもたしかにこれは美味だな、たまごと野菜のやつが特に良い」
「このこってりした魚も美味しいです」
「魚を何かで煮たものでしょうかのぉ?はて?食べたことがあるような無いような?」
「それはさばの味噌煮、味噌に近いのは向こうにもあるけど癖があって味ぜんぜん違うよね」
ニロンにはドッグフー・・いや、うーん「女の子の食べ物なら毒だろうと食べきるのが男ってものさ」って言ってたし、はるねーちゃんの料理を食べさせたい気もするけど信徒が用意してくれてるしな・・・焼き鳥あげよう
「こ、これはっ!!ハルネーを口説いたことに対しての嫉妬で粗末な肉を出したのかと思いきや!それぞれが香ばしく、肉の旨味が強いっ!!白いのは極上の塩を使った肉、茶色いのは甘辛いタレが肉の旨味をっ!!これはもはや料理ではない、芸術品っ!そうっ!芸術品だ!!!おぉ、神よ!この芸術作品に出会わせてくれた神よっ!」
「<よんだですぅ?>」
「おぉ!レアナー様、心よりお礼申し上げたいです!!」
「<えっへん!>」
「料理だからね、それ、拝んでないで食べて」
舌にも定評のあるニロンが肉の串を崇めて、ここまで褒めているのだからと皆焼き鳥を食べ始めた
肉の串焼きは向こうでよく売ってるし、皆食べ慣れてるから安心なのかな?
「でしたら鳥だけではなく豚や牛、マグロなんかもどうでしょうか?」
「三上に任せるよ!」
「それとお酒はどうしましょう?」
皆ピクリと僕がどう答えるかで注目したけどそんな答えはわかりきっている
「NO、駄目、城が壊れる」
「そんな殺生な・・この老い先短い老体にだけでも・・・」
基本的に大人とお酒を組み合わせると危険なのだ
向こうの世界の人間は力も強いし酔った勢いで何を仕出かすかわからない
しかもこちらの世界では酒はどこにでも売っていて、有り余っている
あまりにも危険すぎる
「だめ、この後大浴場でお風呂はいるし今日は美味しいもの好きなだけ食べていいからね」
「仕方ないですのぉ」
「こっちの人間は魔力とかもまだ使えない人ばかりだから凄く脆いんだよ、だから駄目、お土産には上げるからね」
タコヤキとアヒージョ、それとガルシア風というアヒージョの別物のようなものを食べてみる
少し弾力のあるタコだ、それでいてタコよりも強いタコの風味がする
タコヤキにもあっているし、オリーブオイルとにんにくで味付けされたアヒージョもガルシア風というのもいける
小さく刻んだからあげもいいね、ちょっとかたいけど包丁いれたものなら食べやすいし、カリッとしてて良い
「美味しいなぁ・・」
「褒めてくださいまし!」
「よく出来た!いよっ!クラーケンタコ焼き日本一のヨーコ!!」
「そんな褒めすぎですわぁ」
相手を褒めるのは大事なので褒めてみた、初めての食材なのにおいしい
クラーケンの使える部分だけ使って、残りを食べるとして何食分だろうか?僕らだけだと一生食べても食べきれないんじゃないかな?
身体をくねらせて嬉しそうにしているヨーコだがフィルが冷静な言葉を浴びせかけた
「こちらにクラーケンが居ない以上、クラーケンのタコヤキとやらを作った辞典でガムボルト殿が日本一になるのは当然ではないか?」
「そうでしたわ・・・!」
「チビが!ははは!調子に乗ったな!!はははははは!!」
「なにをー!」
酒も入ってないのにヨーコを笑ったダリアが喧嘩を始めてしまった
相変わらず仲がいいな
「このガルシアというのも美味ですね、」
「<かたいですけどおいしいですぅ>」
「おいしいですねレアナー様」
ガルシア風というのはよく茹でたタコにオリーブオイルやにんにく、岩塩をかけて串に刺したもので、アヒージョと使う素材がほとんど同じだからか味が似ている
ただスパイスの使い方が違うのか、オリーブオイルも岩塩もにんにくも同じなのに別のものの気がする
よく加熱したオリーブオイルとそこまで加熱していないオリーブオイルの違いなのかな?どちらもとても美味しい
クラーケンはおいしいにはおいしいけど、牛串や、豚串の方が美味しいように感じる
エゼルたちもこちらの肉料理には満足したようだ
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