第511話 プレゼントは喜ばれるとは限らない
クラーケンたちを回収し、ご飯にする
とれたばかりの海龍やクラーケンは大きいし多いから解体する人間が少なすぎる、収納にいれてるから腐るわけじゃない
皆で働いたしお腹も空いた、ミルミミスはお腹が空いてるみたいだし一度城に【転移】で戻ってこちらで働けそうな人、皆で準備する
「ふふん!ボクが来たからにはゲーガやクラーケンごとき「あ、もう終わったよ?」呼 ん で よ !!?」
「見つからなかったんで」
黒葉はツヤツヤして起きていた
三上の結婚に必要な「結婚前に磨き上げるエステ」などをするために作られていっているえすて?爪、りぞーと?をする場所でゆったりしているようだ
爪ってなんだろうか?翻訳魔法の不具合かもしれない
顔を合わせるのはちょっと恥ずかしいような安心したような・・・
これからご飯を食べるのに、必要だったのは三上と直子お義母さんとヨーコだ
それと見つけたロムと康介伯父さんに徳田達
康介おじさんは船の運転ができるから浮いて散らばってる魚の回収ができるし徳田は魚をさばける
「私も行きます、私も異世界行ってみたいです」と着いてきたかーさん、ドラゴンゴーレムに乗ったまま来た
かーさんととーさんはゴーレムから降りずに康介おじさんと一緒に魚の回収をしてくれた
クラーケンや海龍は建物よりも大きいし解体に時間がかるから、今すぐには食べられない
だから海の近くにいるのに海の幸をあまり食べられない人に魚を元の姿から調理してほしかったのだ
食材になるのは雷で浮いていた、毒がなくて食べられるとわかっている魚だ
足りなければ漁師の信者さんから頂いたものがいっぱいある
タコとイカ、それとマグロやサバのようなわかりやすい魚・・・砂浜もあるししじみやあさりのような貝もだしておこう、下で同じものがとれるかは分からないが
凍ったマグロは解凍に時間が掛かるから使えなかった
作ってる間はセーセルリーとミーキュ、新兵たちは砂浜でゲーガのいた砂浜を掘って他の魔物の爪や鱗や骨を回収
ミーキュが地面から一気に素材となりそうなそれらを地面から浮き上げて新兵たちが穴をほって引っこ抜き、セーセルリーが風で一箇所にまとめる
ロムとかーさんは関羽に指示されて調べ終わった場所から焼いていた
ゲーガの排泄物や、食残した腐った魚が砂に混じって毒気があるとかで砂を焼いて毒気を抜いているそうな
僕の【清浄化】も地面にゆっくり落ちるのけど綺麗にするのには時間が掛かるからロムの炎は助かる
というかかーさん、城のゴーレムにあんなのあったんだ、ドラゴンの尻尾の先でひょいって大きな骨を引っこ抜いていたりと使い慣れてるしびっくりだ
徳田は魚の解体が得意で「さんまいおろし」ってのを人に教えている
タコはヨーコがたこ焼きいっぱい作ってる
イカは分解して火にかけて焼いて、しじみはお味噌汁、あさりは火にかけて醤油とバターで直子お義母さんと三上が担当
「・・・・・ミルミミス?」
ウロウロして魚を盗み食いしていたミルミミスだったが海の方を向いて固まった
「・・・・・小さいの来た、いってくる」
「わかった」
何が来たかはわからないけどミルミミスが言うのなら間違いないだろう
レアナー様用の食事用の祭壇を急遽作ってガレティレと祀っている
杖を崖の端に立て、結界で康介おじさんやとーさんと村人が魚を回収している範囲を村ごと包み込む
丸く円柱状に障壁を張ったから海の魚も遠くに流れることはないだろう
上からミルミミスが飛び立って雷を落としていっている
海の先には小島が幾つかあって、ゲーガだらけらしいからゲーガのおかわりかもしれないな
<キュクルルル>
遠目に見てもミルミミスは調理される海産物の出来上がりを気にしているのかこちらをチラチラ見ながら飛んでいる
僕は雑なミルミミスが取りこぼしていることも考えて海を見ていた
とーさんや康介伯父さんがゲーガにあったら危ないし、船をつける場所もないから回収しないといけないしね
出来たのは海産づくしだ
地球産のマグロは出してないがこちらのマグロっぽい魚も食べられるようだ
シャチみたいなサイズのマグロ、一匹いたけどこれ食えるやつだったのか
「何かあったら頼むぞ洋介」
「ボクはワサビは少なめで」
「ワサビは無しでも良いのよ?」
「そうなの!!?」
日本人組を中心にマグロは生で食べているのにはこちらの皆はドン引きしている
村人も食べれることは知っているが生で食べるものではないのかもしれない
切り身の見かけは完璧にマグロだ、赤くて宝石みたい
ふとはるねーちゃんを見ると唇をぺろりと舐めてこちらを見てきた
・・・・・恥ずかしくなってしまってはるねーちゃんをまっすぐ見られない
味は、日本のマグロよリも濃くて美味しいかもしれない
「黒葉?」
「はい?」
「なんで僕を抱っこしてるの?」
「したいからですけど、だめですか?」
「いい、けど」
「じゃあ、もう一口、あーん」
何かをはるねーちゃんに吹き込まれたのだろう、黒葉の膝の上でご飯を食べている
なんか恥ずかしい
周りの大人達はこちらをニマニマしてみていたが「ずるいですわー」とヨーコが来て黒葉と交代した
「これ、間違ってない?」
「そう、ですわね」
ヨーコは僕よりも背が低いからやってみたけど出来なかった
普通に横に座った
ヨーコは何でも美味しい美味しいと言って食べるけどその中でもたこ焼きを作って食べるのが気に入ったようでいっぱい作ってくれた
「たこ焼きは奥が深いのですの!生地の配合やタコの種類にタコじゃなくても美味しく食べられて!ソースも何十種類から調合できて!!」
うん、ヨーコも好きな料理ができたようで良かった
さっきまでお祭りの屋台と鉄板とプロパンガスを出して作っていたが手慣れたものだった
ヨーコが城で作るたこ焼きにはイカや鶏肉や豚肉が入っていたり、ソースが焼肉のタレなどで、常識にとらわれずに試していっているみたいだけど今日はちゃんとタコとソースだ
「やはりまずは王道にこれを味わっていただきたく思いまして」
今は竹村がガレティレにたこ焼きを教えている、横で六太がイカのゲソを焼いているが手慣れたものである
ヨーコの作ったたこ焼きはマヨネーズと青のりも綺麗に散りばめられている、表面は少しサクッとした歯ざわりをしていて中はふわっとしている
食べるとソースの香りが鼻を通り、濃いソースの味に生地の味、それと飽きさせないタコの味がなんとも言えない
こちらの村人も美味しそうに食べているし、刺し身はダメでもまだたこ焼きのほうが受け入れられているようだ
とーさんたちのごはんはゴーレムの中に直子お義母さんが持っていった
「そうだ、あの、黒葉、これプレゼント」
「あ、ありがとうございま・・・・・・・・・・・・・ありがとうございます」
渡したのはゴールドのネックレスだ
ランディが言っていた
周りの人に価値を示すのには派手な方がいい場合もあるって
黒葉のお義父さんの小林さんにも僕が黒葉を大切にしてるって示すためにこれにしたんだ
地球では金は貴重らしいし、お店で一番ピカピカしていて派手だったからこれにした
これは頭からかけるものでとても大きい、うむ、重くてなかなかいいんじゃないか?
そう思ったがこれは黒葉の趣味ではなかったかもしれない、微妙な顔をしていたのを見逃さなかった
だけど実はプレゼントはひとりひとつではない
ケイシーがアクセサリーは種類もあるし好みも人それぞれと言っていた
気に入らなくても、別のものを渡して様子を見るのが良いらしい
それと小分けにして、なにかのタイミングごとに渡すのもポイントだそうだ
今日のは微妙な顔をしていたけど次のプレゼントを渡すのが楽しみだ
食べ終わったら、皆で一度この国の王様に挨拶に行かなきゃね
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