第439話 お参り
正月はもう終わっているが・・うん、行こう
知ってるお寺のお参りだ
「ヨーコ!動かないで!」
「苦、苦しいですわ」
「こっちもかわいー!」
「・・・・・窮屈」
「僕達はゆーしゃと同じのが良い」
レアナー様と婚活会場を出て・・・疲れた
日本の結婚について参考になったけど話を聞かない人もいた
こたつでテレビを見ているとレアナー様がテレビで『お正月、テレビに映った和服美人特集』というのを見て僕達も近所のお寺にお参りに行くことにした
<こっちもかわいーですぅ>
レアナー様が行きたいというのだから行こう
というわけで皆、和服を来ていくことになった
正月には初詣という行事で行く人もいたけど別宗教の僕らが忙しくしているところに行くのはよくないし「行ってもいいけど個人でね」ってことにしていた
だけどお正月を過ぎ、今は催し物もしていない
というわけで知り合いのおじちゃんのところに行くことにした
「この民族衣装は動きにくいですわね、もっと肩が出ているやつはありませんの?」
「知らない」
「昨日歴史ドラマでそういうのが出てたけどあれはまた別なの」
「奈美は和服スッキリしてよく似合うね」
「ありがとう・・・遥は・・・胸めっちゃつぶれてるけど大丈夫?」
「ちょっと苦しい」
女性が増えると賑やかでいい、姦しいなんて直子お義母さんは言っていたが女性じゃなくても人が増えるとそれだけ話すことは増えると思う
これも和服ってやつなのかな?
かなり色とりどりでとても綺麗だ
「・・・・・脱いで良い?」
「脱がないで!!?」
「元杉、こちらの服を着たわたくしは可愛いですか?」
「うん、可愛らしいね、皆いつもとは雰囲気が違って綺麗だよ」
「もう、生意気」
僕と同じ服を着たせーちゃん、むいてもらえるみかん目当てにこたつにいたミルミミスもレアナー様の一言で和服を着ることとなった
レアナー様も魔力を込めて人の大きさで実体化してもらって和服を着た
ミルミミスは人型になっても大きな尻尾はあるし、背中を見ると羽もはえているので凄いおしりのおっきい人みたいになって嫌そうだ
ルールはネクタイのような和服みたいに見える前掛けを首にかけている、可愛い
近くのお寺に来た
「あけましておめでとうございます」
「洋介・・・あけましておめでとう・・この人数で来るのなら先に連絡しような?」
お寺ではおじちゃんが掃き掃除をしていた
おじちゃんはうちの家にも来てお経をあげてくれる人で・・・康介伯父さんの親友だ
アウトドア好きな康介伯父さんと一緒にいることも多く、何も言わなくても家にいることがあったりする
川に行ったり山に行ったりすると一緒のこともある、はるねーちゃんの師匠である
「先生、この後勝負しませんか?」
「お、良いねぇ」
はるねーちゃんが勝負を挑んだ、後が楽しみだ
人数は・・・城で暇にしてる人皆に声をかけたので400人ぐらいかな?
手を叩いてお賽銭にお金を入れていく
幸い別のお客さんはいなかったのでゆったりできる
「<私もカラカラやって見るですぅ>」
「はい、どうぞおねがいします」
おじさんも、さすがのレアナー様相手だと緊張しているようだ
二礼二拍一礼、テレビでやってたのをレアナー様も行ったがおじちゃんは顔を引くつかせて「うちは寺なので」とだけ言っている
お寺と神社では作法が違うようだ、同じものを別の言い方してるだけじゃないのか・・難しいな
「よーすけ」
「はい」
【収納】からアタッシュケースを出して一つまるまる入れることにした
このお寺との交流は初めてだし、レアナー教の騒動の際は場所を貸してくれて手伝ってくれたりもしたようだ
お礼も兼ねているので5円ではなくしっかりお金を入れることにした
「はいらないですぅ」
「ですね」
これで1億円だったかな?アタッシュケースの中身を入れようとしてるけどお札の束が賽銭箱を通らない・・・!
「はるねーちゃん手伝って」
「わかったわ」
「・・・・・」
おじちゃんは固まってしまったが僕達は入れられない100万円の帯を解いていく
せーちゃんが素早く帯を切っていってくれて助かった
「ん、あれ?お賽銭って神様へのもので・・・一度は帯もいれたんだから帯も中に入れるべき?それともゴミとして持って帰った方がいい?」
「・・・どちらでも大丈夫です」
「おじちゃん?」
「・・・気持ちなので好きなようにどうぞ」
「わかった」
いくつか落ちてしまったがお札の帯はごみになるし持って帰ることにした
向こうの神殿では神様本体が出てくることもあるけどこちらの世界ではそういうことがない
魔素が薄すぎるのか、それとも神様自体がいないのか
わからないけどこういうのは礼儀だしね
おじちゃんは急に静かになったがお参りの邪魔をしないようにしてるのだろう
僕たちもしっかりお参りをして皆で帰った
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